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夜の都会を自転車で走ることが好き

ふと、自転車で
夜の都会を走りたくなるときがある。

街の灯りも消えた夜、
人影も少ない道をただひたすら
自転車でどこかへ向かう。
行き先は決めずに、
ただ都会の夜を自転車で走るだけだ。

眩しいくらいに
鮮やかに光るお店のネオンも、
横に広がり、
がやがや歩く学生たちの姿もない。

たまに通る車、
さっきコンビニから出てきた人、
都会のはずれの道には
点々とした存在があるだけだ。

さっきまで、
自分を大嫌いになっていたのに、
そんなことがちっぽけに思えたり、
今日ぶつかってしまった
あの人の意見も
すんなり受け入れてしまえたりする。

そして、
ぼんやりとしたオレンジ色や、
うすく青み掛かった白色の光が、
ぽつんぽつんと道に灯る。
なんだかその光たちに、
また前に進んでみれば?と
エネルギーを充電されてゆくような気もする。

寒い夜でも、暑い夜でも構わない。
いつだって自転車で走れば、風が心地よい。

くすんだ心の塵埃を吹き飛ばし、
べたっと心にこびりついた疲れも
洗い落してくれる。

そんな夜に
自転車で走り出したくなる時は、
たいてい心が疲れている時ではある。

だけれども、
そんな疲れてしまった事実も含め、
都会の夜と自転車というセットは素晴らしい。

むしろ心の疲れというものは、
生きていく上でのつきもの。
その癒し方として、
夜の都会と自転車は最高なのだ。

ずしっと暗く疲れた日が一変、
すっきりとした気持ちで
一日を終えさせてくれる。

また
ふと思い立ったら夜に出かけてみよう。
心地よい風とぼんやりとした灯りが
また私を充電してくれるはずだ。


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