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5-9 イギリス編 長期滞在のディープな魅力 ベテランスペイン撮影コーディネーターのぶらり旅

6月20日 9日目 ケンブリッジ
 今朝は朝から快晴。雲のないこんな晴れ間はケンブリッジでは珍しい。私の住むコスタ・デル・ソルは太陽海岸。毎年私がケンブリッジに来ると晴れることが多いので、「今年もマラガの太陽を持ってきました。」と長くて暗い冬で落ち込んでいた友人に来た時に言ったけれど、それから雨が少し振ったのは2日ぐらい。そしてこれからの週間予報も晴れだ。庭の植木の花も一気に咲き乱れ、とてもうれしそう。太陽は人も植物も元気にする。

庭木も人も太陽で元気に

 イギリスに来る前にMさんに借りた、坂本龍一の「ぼくはあと何回満月を見るだろう」をスペインから来る時から読んでいたのだが、面白いので途中で友人に読むよう勧める。もともと彼女とは読書の好みが似ていて、案の定すっかり気に入って読んでいる。これは余命宣告をされた彼がその時からの事を書いた本。精力的に色んな所に行って色んな人に会い、色んな活動をしていく。80になった友人はこの本から読みたい本、聴きたい音楽など色んな刺激をもらっているようだ。ここ何か月かあまり人との会話がなかったので情緒不安定になったり、鬱になったり。私が来てからは毎日屋外を歩き、たくさん会話をし、料理をしたり、私に食べたいもののリクエストをしたり。植木の手入れや飼い猫の面倒をみて、大分元気になってきた。この家の猫エイミーは、私が来るまではしょっちゅう彼女のそばにいたのに、私が来てからすっかり安心したようで、マイペースにあちこち行くようになった。エイミーも友人の様子を見て感じて、心配していたけれど、今は安心しているようだ。人生100年時代。しっかり向き合わなくてはいけないテーマだ。

工事のため信号は袋がかかっているロータリー

 先に私は坂本龍一の「音楽は自由にする」を読んで、写真家・本橋成一さんに以前スペインで何かできないかと託されていた映画「アレクセイと泉」の音楽が坂本龍一だったと気づいた。チェルノブイリの不思議な〈泉〉とそこに住む人たちのすばらしいドキュメンタリーなのに、力及ばずお役に立てなかった。「ぼくはあと...」には90年代にスペインで仕事をご一緒したオノセイゲンさんが登場してきた。その時は録音エンジニアとして当時先進的な技術の撮影に参加。私はコーディネートの一部を担当。しかし仕事の事よりも皆で我が家でしたバーベキューや、後日セイゲンさんの家での神宮外苑花火大会の楽しい思い出の方が鮮明。

ビーツの冷製スープ

 今日はビーツの冷製スープをリクエスト。昨日のビーツを切って、少量の水と共に火にかける。沸騰したら牛のスープストックと塩コショウを加え、10分ほど煮る。火を止めたらたっぷり目のオリーブオイルを加える。これをハンドミキサーにかけて、滑らかにしたら粗熱を取ってから冷蔵庫などで冷ます。仕上げは器によそって、サワークリームをサラッとかけ、みじん切りのパセリを散らす。とろとろの感じに仕上げ、濃厚なビーツの味を楽しむ。旨味満載。イギリスではこういった冷たいものは胃を刺激するのでコースの最後に出すのが正しいとか。私達も習って良く冷やして食事の最後に頂く。

オープンサンド

 その間私はオープンサンドを用意。イギリスらしい骨付きハムの塊をばらしてスライスにし、先日のホロホロ鳥の肉をほぐして冷凍しておいたものを解凍。野菜は胡瓜、セロリ、ルッコラ、マスタードスプラウト、赤玉ねぎ。

 Queens tennisアルカラス(スペイン)VSドレイバー(イギリス)を観戦しながら食べる。アルカラスは去年この大会とウィンブルドンで優勝したので、勝てるだろうと思っていたが初めからすごい接戦になり、第一セットをタイブレークで取られてしまう。第二セットは5-0から5-3まで持ち直したが敗退。これからこの大会では22歳のイギリスの星、ドレイバーを応援しよう。
スポーツ観戦は感動と元気をもらえる。特に最近のテニス界はどんどん凄い若手が出てきて楽しい。この大会の後はウィンブルドン、そしてパリオリンピックにはナダルアルカラスダブルスで出場する。夢の共演。

 午後に多国籍食材の店Midan world foodsに行く。ここはイスラム系のお客さんが多い店だが、日本食、イタリア、ギリシャ、インドやトルコとどこの国だから分からない、ものすごい品数を揃えている。私達は天使の毛と呼ばれるイタリアの麺Capellini を買いに来たのだが、Parathaというインドの層になっていておいしいパンも買おうと冷凍庫を見たら、ざっと15種類はある。悩んでいたら、お店の人がこちらがお勧めと教えてくれた。20枚入り4,29£。ラムのケバブや、新鮮で安いコリアンダー、小さな黒コショウ入りパパダムにアンチョビソースなどで約15£。二人ともこういう店が大好き。

薔薇

 早速夜は先日のアサリのむき身と玉ねぎをCapelliniでさっぱりと食べる。今夜はサッカーのEuro cup スペインVSイタリア。国対抗のヨーロッパ選手権。スペインは10回以上ゴールチャンスがあったのに結果は1-0。
ちなみに日本で使われるサッカー Soccerという呼び方はアメリカ英語。イギリスではfootballと呼び、ボールを手や足を使って二つのチームが競い合うサッカー、ラグビー、アメリカンフットボールのスポーツの総称でもある。サッカーの発祥はイギリスだとは知っていたが、footballは、1848年にケンブリッジの街の中心広場から始まり、ケンブリッジ・ルールとして、ここで決められたルールが、今も継がれているそうだ。


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