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助っ人外国人にローテーションは期待できない!? 12球団助っ人事情(パリーグ投手編)

日本プロ野球では、助っ人外国人選手の活躍がチームの順位を大きく左右すると言っても過言ではない。新型コロナウイルスの影響で2020年シーズンより、NPBでの外国人の1軍登録枠は5枠(1軍同時出場は4人まで)となっているが、来季の外国人登録枠は未定である。本記事では、今季の助っ人外国人の成績を振り返っていく。今回は投手編である。

2023年 外国人の成績まとめ(投手)

 近年、NPBで成績を残した外国人投手がMLB復帰するケースも多く、外国人投手(特にリリーバー)の活躍が目立つ。一方で先発投手は、ローテーションを守り規定投球回、二桁勝利を達成する投手はほとんどおらず、外国人による先発投手の確保は難しい。では、今季1軍で登板した全投手を振り返っていこう。

-投手(パリーグ)


パリーグ外国人投手

 今季、1軍登板を果たした外国人投手は20人であった。
 100イニング以上を消化した投手はメルセデス(ロッテ)のみであった。4勝ながら、20先発防御率3.33と登板間隔を空けつつローテーションを守ったと言えるだろう。スチュワート・ジュニア(ソフトバンク)ポンセ(日本ハム)はシーズン途中からローテーションに定着。ともに高い奪三振率を誇るが、スチュワートは制球に課題が残る。与四球率4.9では信頼を得るのが難しい。ポンセは怪我による離脱が長引き、2年連続で100イニングに届かなかった。メルセデススチュワートは残留が決まっているが、ポンセは契約がまとまらず退団となった。

 リリーフで目立った活躍を見せたのは、オスナ(ソフトバンク)である。MLBで100セーブの実績を提げ、昨季からNPB入り。今季はクローザーとして防御率は0点台、26セーブを挙げWHIPはマルティネス(中日)の0.75を上回る0.69を記録。支配的な投球を見せた。来季から新たに40億程度の複数年契約を結び残留が決まった。

 ペルドモ(ロッテ)は唯一の50試合登板を達成。得意のツーシームを武器にゴロを量産し41ホールドを挙げ最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。しかし、現在は自由契約となっており退団が決定的となっている。

 例年好成績を残しているモイネロ(ソフトバンク)は怪我による離脱があったが、力強い速球と大きなカーブを操り、27試合登板で防御率0.98、WHIP0.58、奪三振率12.04と圧倒的な数字を残した。来季は先発転向が決まっており先発陣の救世主となれるか、注目が集まる。

 ワゲスパック(オリックス)は昨年、リリーバーとしてフル回転。日本シリーズの胴上げ投手であったが、今季は防御率5点台と不振。奪三振率は高水準であるが、与四球率も高く安定感に欠ける内容であった。

 途中加入組ではクリスキー(西武)が14試合で7セーブを挙げ、増田達至に代わる守護神として名乗りを挙げた。昨季は横浜DeNAベイスターズに所属しており、NPBでのプレー経験も安心材料であったが、契約更新とはならず。

-まとめ

 今回はパリーグの投手について、助っ人外国人の活躍を振り返った。毎年、助っ人外国人投手は先発ならローテーション期待。リリーフならセットアッパー、クローザー期待として獲得されるが、今季の成績を見ていくと、年間通じてローテーションとして活躍できる選手はいなかった。今季優勝のオリックスは、日本人で6人の強力な先発投手を揃えることができており、助っ人外国人に依存しない編成を行うことも勝利への鍵となるだろう。

-参考サイト

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