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コワーキングではない、新しい文化を作る、永遠のベータ版空間へ。

世の中には、「デスク」と「オフィス用チェア」がいたるところに散らばりはじめて、「ワーク」とか「新しい働き方」とか、使い古された単語で埋め尽くされている。

SNSではパステルカラーやモノトーンのオフィスチェアが整然と並んだオフィスや、木製のカフェチェアが散りばめられたラウンジの写真が、フォトジェニックに並び、「コミュニケーションスペースのあるオフィス」を皆が自慢している。

こんなものとか。

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(*上記の空間写真はフリー素材やflickrのCreative Commons作品からお借りしました)

写真を撮るために働く場があるんじゃない。

悩んだり、苦しんだり、涙したり、笑ったり、
誰かに励まされて1日がよかったと思えて満ち足りたり、
緊張する大舞台を乗り切ってほっとしてコーヒーを飲んだり、
ため息を一つ、大きくついたり。

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働く場所はそういうものだと思う。

2020年、私たちは、「コワーキング」の定義そのものを見つめ直した。
そして、始まったのが「プロジェクト・パーマネント・ベータ #project permanent beta」だ。


空間を永遠のベータ版として発展させ続け、意味を定義し直し続ける。
弛まない努力と観察と対話。


「人はなぜ集まるのか」

「人はなぜ仕事をするのか」

「人はなぜ他の人と話したいのか」

「人はなぜ考えたいのか」

「人はなぜ自由になりたいのか」

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空間を変え、空間が持つ意味を変え、空間に流れる空気を変え、そこに集まる人を変え、そこで発生する会話を変えていく。


疑問その① なぜデスクとチェアが必要なのか?

もうそろそろ、デスクとチェアを買うのをやめた方がいい。
みな、在宅だ、なんだかんだで、買いすぎである。

はたらく、ということは、机で座って文字を書いたり検索している時だけじゃない。歩いている時、誰かと話した時、シャワーを浴びた時、トイレに座っている時、子どもの一言に触発された時、町で芳ばしい香りをかいだ時。

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その瞬間に、自分の脳内で何かがつながって、
そこで初めて、私たちは生きている価値を生み出す。
自分にしか作れない組み合わせを思いついたり、
自分にしか作れない関係性を奏でたりする。

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なぜ、人は「ワーク」という時、
デスクとチェアのセットを思いつくのだろうか?


なぜ思いださないのだろうか。

私たちが本当にインスピレーションを受けている瞬間は、
決してデスクとチェアなんかには座っていないってことを。

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だから、私たちは、
自分たちの体に染みついている「働く」の既成概念を、
超えていきたい。

疑問その② なぜ働かないとお金が稼げないと思っているのか?

多くの人は汗水を垂らして働かないと食っていけないと思っているが、
それは世の中には全然そう思っていない人がいることを知らないだけだ。

「働く」の定義を変えてみて、
視点を変えてみてみれば、
「人間は遊ぶことが仕事」と言える。(ホモ・ルーデンス)

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遊ばない人は、何も生み出せない。
本気で遊んで、本気で没頭できない人は、何も生み出せない。

なら、なぜ、「働く場」は「遊ぶ場」ではないのだろうか?
なぜ皆オフィスを「遊び場」にしないのだろうか?


疑問その③ なぜ集って働く意味があるのか?


コロナで、皆が思った疑問の一つ。
「なんで、集まってたんだっけ」

人間は社会的な動物で、「集まらない」を何ヶ月も続けると、
メンタルをやられていく。意外にものすごく脆いのだ。
それが、コロナが教えてくれたこと。


今、「なぜ、他の人と隣り合わせで働くか」の意味が
先鋭化した。
今までみたいに漫然と座るのではなく、
明確な目的意識をもって電車に乗り、
明確な一日に達成し終えたい会話をイメージしながら、
ミーティングに入る。

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私たちは、集まって働かないと、一人で遊べないから。
結局のところ、一人では何もできない、というか、面白くない。
自分の心に火をつける作業だって、一人でやるより、
誰かと壁打ちしながらの方が、
早いし、楽しいし、価値がある。
だから、集まるのだ。

疑問その④ なぜ集まってもいつまでも仲良くなれないのか?

そこが「働く」をシェアする場所でしかない限り、
一向に仲良くなれない。

そこが「暮らしの一部」をシェアする場所になった途端、
人は一気に信頼し、一緒に仕事をし、何かを共に作り出したくなる。

不思議なもので。

だから、「共に食べる」「共に鑑賞する」「共に読む」
などの共同作業を、毎日毎日繰り返す。

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すると、薄い薄い、ミルフィーユの膜みたいに一枚ずつ、
丁寧に重ねられていって、信頼が蓄積して、構築する。
毎日、毎日。
毎週何回か。
これが2年も3年も続くと、気がつくと、
同じ場所で働く人たちは、人生でまたとない出会いになっていて、
影響しあい、一緒に共同作業をすることが怖くなくなる。

共同作業はわざとらしく作り出されるのでもなく、
暮らしの一つとして存在しており、
私たちの生活の中に溶け込んでいる。


問いを立て、空間で試し、人が実験台になる

私たちはこれからも数年間、未曾有の人間関係の中に放り込まれる。

オンラインが超重要になったからこそ、
オフラインの空間がもたらす力が、さらに重要になった。

今、Impact HUB Tokyoに集まってきてくれているメンバーは、
変わり続ける自由な空間の中で行われる
新しい社会的関係の壮大なる実験を、
楽しみたいと思える人たち。
だと信じている。

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この「パーマネント・ベータ・プロジェクト」では、
一つ一つの人間の行為、人間の特性、人間が作り出した虚構や文化を
もっと深く知るために、
問いを立て、その問いに呼応した空間を作り出し、
時間をかけて人や人同士のインタラクションが変わるのを観察する。

私たちは、コワーキングではもうない。
一つの文化になっていく。


次回に続く。


*そんな私たち、現在、人材募集中です。一緒にまだ世の中にない空間を作っていくチームメンバーを募集しています。応募は以下の記事にあるフォームよりお願いいたします。


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