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行き違う人間とマメルリハ

忙しくて疲れていた人間たち

仕事が最繁忙期になり、今年は例年以上に忙しかった。そして毎年その時期の記憶が同僚たち共々ないのだが、今年もすでに「忙しかった」以外の記憶があまりない。

忙しさのあまり体調も崩してしまっていたが、休むこともできず4月になった。在宅している母も朝晩の気温差が激しい時期になり、体調が思わしくなく、私の周りで元気なのは我が家のマメルリハ・シャルだけだった。

シャルは他者を思いやる心が薄いマメルリハなので(父親鳥や初代マメルリハとの比較において)、そんな私や母の状況を察してはくれない。二人とも疲れているので、普段よりシャルにかまわないのでシャルは最近不機嫌だった。

かまわないといっても普段の世話はきちんと母がしており、撫でてもらったり、鳥用アスレチックで遊んでいる様子を見守って一緒に過ごす時間が減ったにすぎない。でも、シャルからすると「減ったにすぎない」ではすまないらしい。

優しい初代マメルリハの話↓

優しいシャルの父親鳥の話↓

麻の実いらない

そんな風に忙しくしていたが、4月1日の夜は久しぶりに早めに私は帰宅することができた。帰ってみると私が主に過ごす部屋は人がいないので暗かったが、窓辺には遮光カバーがかかってない鳥籠があった。つまりシャルはまだ寝かされておらず起きていた。普段はその時間より1時間以上早くシャルは寝ているが、疲れていた母が寝かしそびれたのだ。

シャルに「ただいま」と久しぶりに声をかけたが、じとーっと空を見つめてシャルは私を無視していた(割といつものこと)。荷物を降ろしたりして部屋の中を移動していたら、私をいらだたせるシャルの麻の実が足の裏にあたった。拾ってみるとまだ中身の入っている麻の実で殻ではない。

起きていたシャルにその麻の実をやろうとしたら、麻の実には触れず、麻の実をつまんでいる私の指をシャルはくちばしの先で何度もつついた。シャルが麻の実を拒否するなど珍しい。

その様子を見た母は、シャルが麻の実を食べない=籠外活動(放鳥)後にいつももらうから籠外活動してから食べたい=籠外活動したい、と判断しシャルを鳥籠から出して鳥用アスレチックに連れてきた。

しかしシャルは開いている鳥籠の扉の上に飛んで戻り、鳥籠に帰ると主張した。鳥籠に帰して母が遮光カバーをかけるまでシャルはおとなしくしており、結局のところシャルは本当はもっと早く寝たかったのだとわかった。

主張が強いマメルリハだから、きっともっと早くに母に「もう寝たいよ!」と伝えていたのだろうが、疲れすぎていた母がシャルの主張をその気はなく無視してしまっていたのだろう。

人間の都合とマメルリハの気持ち

この夜の帰宅時のタイミングであれば、私もシャルにかまう余裕があったが、シャルはもう寝る時間を過ぎていて寝たかったし(夜更かしも確かによくない)、母にその意思を汲み取ってもらえないでいたので怒っていた。

シャルの苛立ちも理解はできるが、人間にもいろいろ都合がある。シャルにも思うところはあるだろうが、人間側がシャルに対して向き合える時にシャルも応じないとすれ違いのままだ。

シャルが私や母より忙しいというなら譲歩のしようもあるが、三食(以上)昼寝付きの在宅無職のマメルリハの気分には合わせられない。シャルはやっぱり気難しい。初代マメルリハはいつでも籠から出たがったので、こんなところでも個性が出るのかと思ったのだった。


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