ドラマ『琅琊榜』で学びたかった中国語~第三十五集②
サブタイトル「奪還」の続き。
衛崢奪還作戦が実行に移される。
山上风大 多加件衣裳
作戦決行当日。
この『琅琊榜』で学びたかった中国語で言及しなかった部分も含めて緻密に練られた作戦が始まる。
掌鏡使(諜報員)の夏冬は、兄弟子の夏秋に夫の聶鋒将軍の墓参りに行くと告げると夏秋が言った。
▼山上风大(shānshàng fēng dà)
「山上」はそのまま「山の上」で、「风」は「風」、「大」はここでは「強い」である。「风大」で「風が強い」だが、「风很大」ではないので、暗に今いる場所に比べて山の上は風が強いことを言っている。聶鋒の墓は山の上にあるからだ。
▼多加件衣裳(duō jiā jiàn yīshang)
「多」は「たくさん」、「加」は「足す」「加える」、「件」は主に上着を数える量詞で「衣裳」は衣服のことである。直訳調にすると「服をたくさん足しなさい」なので、字幕の方が日本語として自然な表現である。
また字幕の内容のみで寒い場所に行くと分かるので、「山上风大」の部分は訳出されていない。
夏冬は墓参りに行くにあたり、自分の任務の手伝いを夏秋に依頼して一緒に出発した。衛崢奪還作戦のため、夏秋を掌鏡使たちの拠点である懸鏡司から遠ざけるためである。
信不信由你
衛崢奪還作戦の決行当日に城外の道観(らしき場所)へ夏江を呼び出しておいた言闕さま。長年往来のなかった夏江と言闕さまだったが、指定された通りに弟子の夏春と共に夏江が現れた。これで懸鏡司から夏冬より上位の兄弟子も師匠の夏江もいない状態になった。
夏江の妻と息子がいなくなって十数年経過しており、気にかかっていた夏江にその消息を伝えると言って言闕さまは気を引いたのだった。
言闕さまによると夏江はかつて璇璣公主と関係を持っており(!)、夏江が家庭を顧みていなかったため、妻子が姿を消したらしい。しかも夏江の婦人は夏江と同門の妹分なので、同じような仕事ができたのだろう。そんな彼女が掖幽庭にいた璇璣公主を善意から助けてあげた経緯もあったと言う。赤焔事案の裏にそんなことまで・・・さらっと大事な情報を言闕さまが視聴者に教えてくれる。
言闕さまは、夏江の夫人が重病で先が長くないと手紙を5年前にもらっており、そこから脳のはやり病で夏江の息子も死亡している事を知ったのだった。言闕さまからの情報を疑う夏江に言闕さまは手紙そのものを渡しながら言った。
▼信不信由你(xìn bú xìn yóu nǐ)
「信」は「信じる」、直後に否定の「不」がついて「不信」とあり、こちらは「信じない」。「由」は介詞で動作や行為をする人物を導き、それが直後の二人称「你」で夏江を指す。
全体で「信じる信じないはあなたによる」、で字幕は限りなくシンプルな表現になっている。
手紙を読んだ夏江は、筆跡が妻のものとわかり激怒した。そして言闕さまに衛崢奪還のため靖王が動くのが今日だろうと言い当て、言闕さまに夏冬が自分が裏切っていることも織り込み済みで靖王が罠にはまるのを待っている話を始めた。
第三十五集はもう一回やります。
放映中の琅琊榜は第二十五集まで来ました。
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