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ドラマ『琅琊榜』で学びたかった中国語~第三十五集①

またもや眼精疲労を悪化させて、目元の痙攣が始まってしまい、先週はお休みのつぶやきのみで申し訳ございませんでした。現在放映中の『琅琊榜』は週5で話が進むので、この投稿の内容に近いうちに追いつかれ追い越されていくでしょうが、最終回まで必ずやりたいと思っています。


烧掉

今回のサブタイトルは「奪還」。冒頭から衛崢奪還作戦準備が進められていく。その内の一環で梅長蘇の護衛・飛流が言豫津の寝室に侵入し、寝ていた豫津を起こして手紙を渡しながら言った。

烧掉
ー燃やして

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第35話
飛流

▼烧掉(shāodiào)
「烧」は「燃やす」「燃える」「焼く」「焼ける」などの意味だが、ここでは最初の「燃やす」である。「掉」は結果補語で、ここでは「烧」の後につけることで無くなってしまうニュアンスを表す。

「中を見るのが先だろ」と言豫津に言われて腑に落ちない顔の飛流が可愛い(言豫津もそう飛流に言う)。「紀王を宮羽のところへ」との梅長蘇からの手紙を読んだ言豫津は、ちゃんとその手紙を燃やした。

梅長蘇の指示を実行するための具体的な方法は書いていないようなので、言豫津に任されている。梅長蘇の言豫津への信頼が垣間見える。

说实话 她现在怎么样啊

言豫津は衛崢奪還作戦決行日の前日に紀王を訪ねた。紀王は第十集辺りで登場した皇帝・蕭選の弟で風流な趣味を持つ人物である。妙音坊の宮羽の演奏をもちろん好んでいる。

江左盟の拠点だったが「妙音坊」は、既に撤収しており、実情を世間の人は知らないため、紀王を妙音坊の琴の名手・宮羽に会わせるにはそれなりの筋書きが必要だった。言豫津は自然な流れで話を仕向けて紀王に言わせた。

说实话 她现在怎么样啊
ー正直に言え 今どうしておる

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第35話
紀王

▼说实话(shuō shíhuà) 
「说」は「言う」、「实话」は「本当の話」という意味である。「实话」は日本の漢字にすると「実話」に当たる。そのためこの部分を直訳すると「本当の話を言え」になる。

▼她现在怎么样啊(tā xiànzài zěnmeyàng a)
「她」は「彼女」で宮羽のこと。「现在」は「現在」「今」、「怎么样」は状況を問う「どうですか」に当たり、紀王は宮羽の状況を指して言っている。「啊」は疑問の語気を表す文末助詞だが、疑問詞の「怎么样」があるので無くても意味は通るが、「啊」があった方がその疑問の語気が和らぐ。つまり紀王が言豫津に対して、決して詰問する雰囲気ではなく尋ねていることになる。

全体で「本当の事を言え。彼女は今どうしているんだい?」となる。字幕の方が紀王のキャラクターが出ているセリフになっている。

明天我带您去一趟

言豫津は身を隠している宮羽を援助している設定で紀王に状況を説明する。宮羽のところに紀王を連れて行くのは、もちろん梅長蘇たちの作戦に関わることなので、宮羽含めて梅長蘇たちに影響が無いように宮羽の立場を守ってくれる言葉を紀王から引き出す。

そして宮羽に会いたがって気が急く紀王に仕方なく応じる形で、言豫津が紀王に言った。

明天我带您去一趟
ー明日 案内します

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第35話
言豫津

▼明天我带您去一趟(míngtiān wǒ dài nín qù yítàng)
「明天」が「明日」、「我」が一人称、「带」は第十四集でも出て来た「持って行く」「引き連れる」などの動詞で、ここでは「引き連れる」の方である。誰を引き連れるかというと紀王なので、二人称の敬称は「您」になっている。「去一趟」は動詞「去(行く)」+数詞「一」+1往復する動作を数える量詞「趟」の構成になっている。「一趟」の部分は日本語に直訳すると不自然になるが、よく出てくる表現である。

全体で「明日私があなたを(一回)連れて行きましょう」となる。さすがは言闕さまの息子で、頭も口も回る言豫津であった。

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