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ドラマ『琅琊榜』で習いたかった中国語~第二十一集②

サブタイトル「瀬戸際の攻防」が続く。謝玉の屋敷の門前では言闕さまや誉王、そして謝玉がにらみ合う。

屋敷の中はもちろん激しい攻防が繰り広げられており、蒙大統領や飛流たちも奮戦するが、池の中心に据えられた東屋に立てこもる梅長蘇たちは、四方から矢を射かけられて身動きが取れない。ここを持ちこたえないと梅長蘇の計画も水泡に帰してしまう。


把路让开 让他们进去

この状況で門前の謝玉たちのところに莅陽長公主が表れて謝玉に言う。

把路让开 让他们进去
ー道を空け 皆を入れるのよ

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第21話
莅陽長公主

▼把路让开(bǎ lù ràng kāi)
登場3回目の」を使った構文。「把」は述語の動作対象を「把」の直後に持って来るので、動作の対象である「路(道)」を「让开(横へ「よける」、「場所を空ける」)」となる。

▼让他们进去(ràng tā men jìn qù)
前回もでてきた使役の兼語文もついでに再度見ていこう。「~させる」という意味の「让」の直後に使役の対象人物が来る。ここでは「他们(彼ら)」なので「彼らを~させる」ということで、前回言闕様の例文でも出てきた「 进(入る)」に方向補語「去」がついて「彼らを入らせる」となる。

いずれも状況から莅陽長公主が謝玉に発した命令文になる。莅陽長公主は自分の首に短刀を当てて謝玉を脅迫する。謝玉は「景睿のために私を捨てると?」と妻の行動にショックを受けた。卑怯な手段で自分を手籠めにした夫と愛した人との間の息子(景睿)なら、息子に決まっている。

皇帝の姉妹を死なせるのも立場上まずい。謝弼の時より事態を重く受け止めた謝玉は妻の脅迫を受け入れざるを得ず、言闕様も誉王の私兵も謝玉の屋敷に入り、戦闘を終結させることができた。

言闕さまと豫津の会話

戦闘が収束し、言闕様はやっと息子と会うことができた。

豫津:爹
ー父上

言闕:你没事吧
ーケガはないか

豫津:没事儿,我没事儿 您怎么来了
ーはい なぜここに?

言闕:你在这里我能不来吗
ーおまえがいるからだろう

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第21話
言豫津・言闕様

▼爹(diē)
古い口語表現で「お父さん」の意味。時代劇ではよく出てくる表現。たぶんここまでの琅琊榜の話でも出て来ていたはず。たしか卓青遥や蕭景睿が卓鼎風のことを同様に呼んでいた。

▼你没事吧(nǐ méi shì ba)
「没事」は「問題ない」「大丈夫」「大したことない」などの意味。最後に推量の文末助詞がついて直訳では「おまえは大丈夫か」となる。

▼没事儿,我没事儿(méi shìr wǒ méi shìr)
「没事儿」は「没事」と同じ意味。中国語の一部で巻き舌で発音する「儿化」表現と思われる。

▼您怎么来了(nín zěn me lái le)
二人称の敬称「您」+「なぜ」という疑問詞「怎么」+動詞「来る」+動作の実現・完了の動態助詞「了」で、直訳は「あなたはなぜ来たのですか」。

▼你在这里我能不来吗(nǐ zài zhè lǐ wǒ néng bù lái ma)
「人物を表す言葉」+「在」+「場所」で「~が~にいる」と言う意味なので、言闕様が豫津に言う「你在这里」は「おまえがここにいる」となる。「我」は「私」、「能不」は「~せずにすむだろうか」、「来」は「来る」、最後に疑問の語気助詞「吗」がついて「私が来ないでいられるだろうか」となる。全体で「おまえが(危険な)ここにいて、私が(心配で)来ないでいられるだろうか」となる。

豫津が無事と分かり、ほっとした様子の言闕様と迎えに来てもらって嬉しい言豫津のあたたかなシーンで一息いれたところで、再度緊迫のシーンに繋がる。

莅陽長公主は南楚の公主たちを帰らせ、甥にあたる誉王に卓家の永遠の安全を保障させる。その後彼女に厳しい目を向ける卓夫妻の前に出たところでこの回は終わった。

🖌今回の気になる単語帳

姑母 gūmǔ
誉王が莅陽長公主を呼ぶときに使った言葉。父の姉妹であるおばを呼ぶ時に使う。誉王の父は皇帝・蕭選で、その姉妹が莅陽長公主である。中国は親族名称が多いので、母の姉妹やおじやおばの配偶者にあたるおじ・おばもすべて違う。覚えるの大変・・・・

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