中欧旅行記④:ベルリン
のんびりと起床、身支度を整えてビュッフェで朝食。安ホテルであるから大層なものはないが、ホテル代には朝食も含まれているのだから食わねば損である。山盛りのコーンフレーク(甘い)に、クーペというパン(硬いが味は良い)をたらふく食べる。
本日最初の目的地はベルリンの東玄関・リヒテンベルク駅。明日のワルシャワ行き夜行列車の予約をするためだ。
「ポーランドは他の国に比べて治安が良くない。寝台を使うなら1等がいいだろう。安全と快適は金で買える。」
と、出発前に友人に忠告を受けていた。彼はポーランドでいかなる体験をしたのだろうか。
リヒテンベルク駅は改装されたばかりで綺麗ではあったが、東の玄関といわれる割には簡素で人気もまばらだった。「地球の歩き方」には「夜になったら治安が悪いので、人気の少ないホームで電車を待つのはやめること」とある。夜の行動に気をつけるべきなのは日本の都心も同じことだが、”東側”というイメージがそこにさらなる物騒感を加える。
駅の窓口で尋ねると、寝台はクシェット(相部屋の簡易寝台)だけだという。1等なんかないじゃないか、あやつデマを…。しかしないものは仕方がない、安全には万全を期そう。ワルシャワ中央駅まで6,000円ほど。
切符を手配した後はSバーンでヴァルシャウアー通り駅へ。このあたりにはベルリンの壁の一部がまだ残っており、様々なペイントが施された「イーストサイドギャラリー」として、マニアックな観光地となっている。異口同音に壁の悲劇や皮肉を描いており、見応え十分であった。壁を見ながらベルリン東駅までのんびり歩く。
ベルリン東駅からSバーンで二駅、アレクサンダー広場へ。噴水にカフェにブティックにみやげ屋、そこに集まる沢山の人。東ベルリンで最もにぎやかな場所だったというのもうなずける。広場のシンボルだった世界時計は今も健在だ。
そこから歩いて博物館の島へ向かう。そびえたつベルリン大聖堂や、旧博物館が見事な作りだ。その中に建つベルリン随一の博物館・ペルガモン博物館を見学。ゼウスの大祭壇やイシュタール門が圧巻。発掘された像やレリーフも見事だった。ちなみにぼくは世界史を履修していないので、この時代について全くの無知。日本語のオーディオガイドがありがたかった。
博物館を出てからシュプレー川沿いを散歩、通りすがりのパン屋で昼ご飯の300円ほどのピザを購入。うまくもまずくもない安いピザ、貧乏旅行の本領発揮である。川沿いの公園のベンチで食す。日差しがぽかぽかと気持ちがいい。隣のベンチには同じようにひなたぼっこをしている御仁たち。
東西ドイツ統一の象徴、ブランデンブルグ門へ。荘厳な作りである。この門の前にあったベルリン壁に、あの日、沢山の人がのぼり、壁にハンマーを入れ、誰彼なく抱き合って喜んだ。旧東側の暗い時代と壁の崩壊の歓喜、そんな場面を想像すると、胸が熱くなる。(このへんはドイツ大使館資料をどうぞ。)
ブランデンブルグ門を遠景に見ながら、ウンター・デン・リンデンという菩提樹並木をぷらぷらしたり、戦勝記念塔にのぼったり(300段近い階段が運動不足の足にこたえる)。ぷかぷかと浮かぶ雲がとてものどかだ。
郵便局で自分宛てポストカードを出してから、雰囲気が気に入ったフリードリッヒ通りで食事処を探す。適当に入った店でビールとスモークサーモンを注文した。銘柄の分からないビールは相変わらず旨かったが、サーモンは油っこかった。値段は若干高めだし、店のねーちゃんは愛想良くないし、食ったら早く出てけ的な雰囲気もイマイチだった。
そんなかんじでベルリン二日目も暮れていくのでした。
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