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欧州旅行記③:ブリュージュ

2005年に欧州4ヶ国を旅した時の記録です。目次はこちら
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街は建物が朝日に照らされていて、とてもきれいだ。このまま天気がもってくれればいいが。

ブリュッセル中央駅から準急行に乗って約1時間、ブリュージュに到着。雨こそ降っていないが、どんよりした天気でさむい。陽気がよければレンタサイクルとしゃれこみたかったのだが、ちょっと無理だ。

まずは中心地であるマルクト広場まで、路地を迷いながら向かう。「天井のない美術館」と称されるこの街の雰囲気は、なんだかとてもいい。細い石畳の道の両脇にレンガ造りの家々。街全体が小さな石のピースから出来ているようで、気に入ってしまった。路地好きとしては訪れて正解。

マルクト広場の鐘楼の366段の階段を登り、街を見渡す。褐色の屋根の連なるブリュージュの町並みとその向こうにある田園を一望。空に浮いているような気分で一興だ。

日が差してきて、歩いているとぽかぽか暖かかった。もうすぐ春なんだなあ。だいぶ歩いて足が疲れたが、隅々まで歩きたくなるような素敵な街であった。

1631ブリュージュ発、1728ブリュッセル着。その足で夕ごはん、Quickというファーストフード店に入る。うまくもまずくもないハンバーガーとコーラ。

店内では、薄汚れた、石油のよく取れる地域のお顔立ちの少年が「5セントおくれよ」と客の間を回っていた。よい気持ちはしない。親も店内におり、子供に物乞をさせているからだ。この街は、こういう物乞がいやに多い。親に働く気がないのか、ハローワークや生活保護制度がないのか、制度の恩恵を受ける資格を持たない人たちなのか。日本ではあまりみない光景に、ヨーロッパの社会問題を想像してみる。

ホステルに帰り、共用インターネットとにらめっこしながら、この先の行程を吟味する。最終的にパリに帰るには直通の交通手段を使うのが楽だろうと思い、オランダ・アムステルダムを行程の終盤に、残りの日程でアムステルダムを目指しながら北上していくことにした。そこで、明日はルクセンブルク、明後日はアントワープ目指す。

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