中央旅行記㉒:フランクフルト
2004年に中欧4ヶ国を旅した時の記録です。目次はこちら。
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朝から雨模様。雲が厚くて、高層ビルのてっぺんが見えない。
どうやって一日過ごすかなー、と考えながらうだうだと荷造と朝食。大した観光地もない上に(失礼)、日曜日で店が閉まっており、そして雨となると、することがなくなってしまう。そうはいっても最終日、名残を惜しむために街ぶらに出かける。
フランクフルトはかなり都会だけれど、諸所に昔の風景が残っている。高層ビルの谷間にふと、一昔前の建物群が顔をのぞかせるのがおもしろい。今と昔がつくりだすスカイラインもステキだ。その足元をゆっくり流れるライン川。
レーマー広場のカフェで寒さをしのいでいると、少し空が明るくなってきた。旅の最後にヨーロッパの街並みを目に焼き付けるべく、マインタワーに登る。大した観光地がないとか言っていたことは、この際、都合良く忘れる。
マインタワーのてっぺんからは、ずいぶん遠くまで見渡すことができた。すぐ東には中央駅と、これから向かうフランクフルト空港。それらを横切り流れるライン川。少し向こうには、自分が訪れてきたポーランド、チェコ、オーストリアという国がある。その向こうにずーっと広大な大地が続き、そして、東の果に日本があるのだ。
世界は、どこまでも広い。
一番初めのヨーロッパであり、この旅の終わりの場所でもあるフランクフルトから、ずっとそんな風景を眺めていた。タワーから降り、飽きずにソーセージを食らい、駅へ。
こころなしかずっしりとする荷物をピックアップし、キオスクでお菓子を購入。店員のおじさんがやたら朗らかだった。片言の日本語で話しかけてくれたのがなんだか嬉しかった。自分ももっと、現地の言葉に挑戦してみればよかったなあ。
そしてSバーンで空港へ。
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