小さなしくみが世界をつくる
EVERYTHINGというゲームがあります。プレイヤーがさまざまな生き物に乗り移り、その生き物の視点で世界を旅するゲームです。描かれる世界は実に壮大。ミクロは原子から、マクロは銀河まで広がります。旅するといってもできる動作はコロコロ転がるのみ。キャラクータや世界も決してリアルに作り込んだものではありません。ただ、不思議と世界をリアルに感じさせます。このリアルさはどこから来るのでしょう。
たった3つのルール
EVERYTHINGをしくみ視点で見てみると、たった3つのシンプルなしくみからでできいます。
しくみ1:集まって群れになる。
しくみ2:群れるとより大きなものに乗り移れる(逆に小さくもなれる)
しくみ3:群れるとみんなでダンスができる
小さなしくみが、大きなしくみを作る
3つの小さなしくみが、更に大きなしくみを作りだしています。
原子、植物、動物の世界から、木や岩の世界、そして島、宇宙、銀河。乗り移るごとにスケールの大きな世界へと変わっていきます。
このような大きなしくみ全体のことをシステムと言います。システムは身の回りにもあります。お使いのパソコンやスマホにはオペレーティングシステム(OS)というコンピューターの世界を司るシステムが入っています。現実社会にも交通システム、医療システム。全てをあわせた社会システムなどがあります。
どのシステムにも共通することがあります。小さな仕組みが、より大きな仕組みをつくり、最終的に世界全体を司っていることです。
時空を旅する
EVERYTHINGには、オートプレイモード機能がついてます。このモードを選ぶと自動でゲームが進んでいきます。オートプレイで何度も移動を繰り返していくとあることに気づきます。時間が進み、世界が徐々に変化しているのです。最初は荒野だった場所に文明らしきものが現れ、やがて人工物があらわれます。進化も描かれていることに気がつきます。
作者のDavid OReilly はゲームの魅了をこう語ります。「システムという概念を通じて世界を説明する力」と。
これがEVERYTHINGの世界をリアルに感じさせている要因なのでしょう。画家が筆を使い絵を描くように、EVERYTHINGはプログラムを使い世界のシステムを描いているのです。
EVERYTHINGは教えてくれます。
世界には多様な視点があることを。
原子という極小な世界があることを。
銀河という極大な世界があることを。
全ての世界が繋がっていることを。
時間と共に変わるものと、変わらないものを。
時間の積み重ねが歴史を作り、未来を作ることを。
このゲームには世界の全てがある。
原子から銀河へ時空を旅する体験。ぜひ体験してみてください。任天堂スイッチ、PS4,パソコン版がリリースされています。
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