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第4回 日本初のコーヒー処『カフェーパウリスタ』

久々の銀座特集更新になりますが今回は知られざる…というこのマガジンのテーマを無視した銀座散策の金字塔とも言える場所をご紹介させていただきます。実際に訪れてみて100年以上続く老舗と言われる所以を感じられた為の強行企画です。

銀座に訪れる人々は『銀ブラ』という言葉を一回は耳にした事があるだろう。銀座をブラブラする事と思われがちだが正しくは銀座でブラジルコーヒーを飲むと一説には言われている。そんなカフェーパウリスタは日本初の喫茶店、カフェ、その類を見事に形付けた原点である事を紹介したい。

1911年に開店し2021年には創業110年を迎えた老舗のカフェは明治に多くの日本人を連れブラジル移住発起した水野龍の功績によりブラジル・サンパウロから特産品であるコーヒー豆の提供と協力が合わさって開業する運びになったと言われている。
当時コーヒーはヨーロッパでは大衆に好まれる嗜好品となっており水野自身もフランス・パリに視察に行き当時、有名店であったプロコフをイメージした白亜三階建ての洋館作りに店内は大理石のテーブルにパリ風の曲木椅子四坐、米国風のドーナツとサンドウィッチが提供され給仕は海軍士官の正装に身を包んだ少年というハイカラなものであった。ちなみにコーヒーは一杯5銭(900円程)という現代から見ても少々値が張るものだったが西洋の最先端の飲み物が飲める唯一の癒し処となるとたまの贅沢として訪れる流行に敏感なモダニストや文学者、知識人からは好評の声が続出し評判を呼んだ。

現在でも当時の味を味わえる森のコーヒーというブラジルのコーヒーがメニューにありそれを私は注文した。酸味の中に様々な深みがあり平均的な喫茶店にくらべなかなかいいお値段はするもののその値段に見合った物凄く濃い何かを感じ取れる味だった。

喫茶店、カフェ巡りが好きという方はここ行くべくしてコーヒー好きとは語れない…といっても過言ではない名店中の名店…元祖という元祖…森のコーヒー以外にもブラジルコーヒーを中心とした様々な銘柄のコーヒーを楽しめるので私自身もまた再び訪れたいと思う歴史の中に魅力の詰まった名店だった。

開業までの歴史及び創業当初の店内の様子などの記述は公式サイト(https://www.paulista.co.jp/sp/paulista/)及び店内で貰える冊子『カフェーパウリスタ物語』参照

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