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「笑う大天使(ミカエル)」川原泉


フワッと軽快なユーモアとシリアスさにしつこさのない川原泉作品

こんにちは、ひろつかさです。
今回採り上げる古面白い漫画は「笑う大天使(ミカエル)」です。

この作者(および作品)、少女漫画好きの方であればそもそも知ってるよ!好きだよ!!という人も多くいらっしゃると思います。
男性ですとあまり少女漫画に興味のある人も少なく、ご存じない方もいるかもしれません。
とはいえ、そんな人でも読みやすいのが川原泉先生の作品です。

ギャグマンガとしてはサラッとしているのですが、それが淡々と続くのが面白く、シリアスなシーンでも元のギャグマンガとしての軽さを失わないので、いつまでもしつこくなくサラッとしています。
セリフ自体は当時らしい表現であるものの、モノのとらえ方については全く古臭くなく、スムーズに読むことができるのではないでしょうか。

どんな作品?

・ストーリー(本編)史上最強の名門お嬢様学校、聖ミカエル学園に通う高校生、司城史緒、斉木和音、更科柚子はそれぞれ猫をかぶり、良家の子女として学園生活を送っていた。しかしある事件をきっかけに、互いの本性がばれてしまう。親近感を覚えた3人はそれ以後、仲のよい友達となる。あるとき、戯れに作った薬品が原因で、3人はメンデレーエフの力と呼ぶ超人的な怪力の持ち主になってしまう。その頃、巷では名門女子高校生連続誘拐事件が発生していた。偶然にも犯人一味の一人が学園内にいることを知った3人は、自分たちも進んで誘拐され、超人的パワーを使い事件を解決する。
ウィキペディアより

舞台が名門女子高校ということで、「マリア様がみてる」「花園に幹が立つ 」と同じような背景を持つ登場人物が多い中、それをメタな目線をもちつつも、自分をそこに溶け込むべく仮面をかぶる女の子3人です。
3人がお互いに通じ合うまでは、それぞれがモヤモヤを抱えたまま学生生活を行っているのですが、通じ合ってからはもうそれまでのうっ憤を晴らすかのように(ほかの人に本性を隠しつつも)やりたい放題・言いたい放題。
でも、実際みんな表面に出ているだけが自分じゃないですし、こんなものだよねというところも含めてクスクス笑ってしまいます。

おすすめポイント

基本的にはギャグマンガで軽快に進んでいくのですが、そこにはほのかに3人の哀愁が漂います。
本編ではそのまま終結を迎えるのですが、本番はそこから。
その後に3人それぞれにフォーカスした短編があるのですが、そこでしっかりと回収されます。

ギャグマンガという軸は損なわずに、シリアスな部分をしっかりと描ききる
川原泉先生のバランス感覚に圧倒されてしまいます。
読後感としても悲しみや救いといった一つの感情で終わるのではなく、高校生活は人格形成に大きな影響力がありつつも、あくまで一区間、その後も人生は続くのだという事実がしっかりと感じられます。
今後彼女たちがどう成長し何を経験していくのかとても楽しみになるような終結を是非ご覧ください。

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