「平成」時代という時代の区切りは不適当か?

令和になって一月以上経ってからこんなことを書くのはあまりに機を逸している感もありますが、安易に流行に乗らない俺かっこいい感もありますので相殺しておきましょう。

それはともかく、「平成」は30年と4ヶ月弱で終わりましたが、一つの時代として区切る分には適切な長さだと思います。

そもそも「世」という漢字は原義としては30年のことを表します。
「十」→「廿」→「世」とみていけば分かりやすいですよね。もともと30を表す漢字です。

漢字源によると、意味の一つ目に30年のことだと出てきます。
語義
一(名)
❶よ。
㋐三十年。
㋑父から子へ、後を継ぐまでの期間。一代。
㋒人の一生。「畢世ヒッセイ」「終世」
㋓新たに樹立された王朝の時代。朝代。「盛世」
㋔世の中。天下。社会。「治世」「俗世」
㋕一年。一歳。年次。
㋖跡継ぎ。「後世(=世継ぎ)」
㋗{仏}真如の世界に対し、虚妄な、現実の世界。

とあります。

また、「革命」や「変革」などで使われる「革」という字にも30年という意味があります。
これまた漢字源には、

なりたち 説文〘指事〙獣の皮で、毛を取り去って、もとのようすを革更(=変更)したもの。(中略)三十(=「廿」と「十」)から構成される。三十年を一世として、世の中の道はあらたまる。「𦥑」が音である。

とあります。「世」は「十」を横に三つ並べた形で、「革」は「十」を横に二つ並べてその下に一つくっつけた形ということになります。どちらも結局は30年を表します。

「世」と「革」という二つの字の元々の意味を考えると、世の中は30年が一世代として見ることが出来て、およそ30年経てば色んなことが変わる、ということになります。

もちろん、30年も経たずに変わることもありますし、40年50年と変化無く続くものもあるでしょう。しかし、人間の一生を考えると、次世代が生まれて代替わりとなるのも長期的にはざっくり30年で一世代と考えて差し支えないはずです。

例えば、この店は5世代にわたって続いている、という場合、今が5代目になったばかりなら4世代x30年プラスアルファの120年〜130年くらいとあたりを付けることが出来ます。

三十年という区切りが一世代として妥当であることは、前述のように漢字の成り立ちから言って適切です。元号は人為的に適当に区切っただけだという意見を言う人もいますが、そもそも一年という区切りも人間が地球の公転周期をもとに勝手に区切っているだけですし、西暦の「世紀」も同様です。20世紀あるいは21世紀という区切りだと100年毎ですので、その中に多くの変化が盛り込まれすぎとも言えます。30年という今回の「平成」の区切りは人間の感覚的にも分かりやすいのではないでしょうか。

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