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読んだ本(2023年10月前半)

10月も多くなってきたので前後半で分割。


沈まぬ太陽 3 御巣鷹山篇 / 山崎豊子

9月前半の長編の連続に疲れて、後半色々借りていたのを捌いてひと段落したので沈まぬ太陽に戻ってきた。

50代以上の人なら覚えているであろう、御巣鷹山の墜落事故が題材。アフリカ篇と会長室篇に挟まれて三巻だけ異色。恩地のモデルである小倉さんも遺族対応係になったことはないとの言葉を残しているそうなので、何故沈まぬ太陽のストーリーとして入っているのかよくわからないが、作者が書きたかったからなのだろう。
恩地は課長相当職ではあるが、窓際族としてすごしている。御巣鷹山の墜落事故をうけて、山岳部の社員が墜落現場へ向かうため現地へ向かおうとするが捜査段階ではほぼ入れず遺族対応に従事して遺族の悲しみと向き合うという話。
2巻までは恩地をめぐるストーリーが描かれていたが、3巻は完全に墜落事故のドキュメンタリー的な内容。恩地は時折遺族対応時の出来事として登場するが、恩地である必然性もなく主人公なので現場で立ち回らなければならないかのような役回りである。
作者のJAL批判の目的として墜落事故の話も盛り込みたかったのであろうが、話の流れ的になじんでいないと感じた。

はじめての万年筆とインクの本 / mizutama

タイトルに「はじめての」とある通り、まさに今まで全く使ったことがなくて、入門としてどんなものがあってどれを選べばよいかわからない人のための本。ペン選びやインク選びの内容はそこそこで、紙や装飾どんな字や絵やマークが書けるかなど楽しみ方に重点を置いている感じの本。入門者用布教本としては良いのではないかという内容。
自分は一時マイブームで万年筆をいくつか買っていたので、洗い方とかあらためて勉強してためになったかな、という感じ。

「おかえり」と言える、その日まで / 中村富士美

山岳遭難者の捜索団体の代表をしている人による体験記。何気ないミスで遭難してしまって亡くなってしまう事例について紹介している。実際の捜索チームの方々の話なのでリアルかつ身につまされる。
最近は行けていないが、自分も山が好きなので気をつけようと思う。

おりたたみ自転車と旅しています / 星井さえこ

 「おりたたみ自転車はじめました」の続編。今回は自転車関係ない話も載っていたりする。漫画の後の旅先の説明が詳しくなっていて、自転車というよりも旅の本という要素を増やした感じになっている。

沈まぬ太陽 4 会長室篇上 / 山崎豊子

4巻から会長室篇。
半分くらいまでは恩地はほとんど出てこず、国見会長や役員たちの話がつづく。
後半恩地がでてきて会長室部長(会長室は部長職の人が複数いる部署で恩地自身はラインの長ではない、室長が別に存在する)として本社に復帰し業務を始める。
ただしここでも物語としては、会社組織や組合(主に第二組合)の腐敗がメインで恩地は狂言回し的役割である。

国のために死ねるか / 伊藤祐靖

タイトル的に硬い本かと思っていたが、読み始めたら良い意味で柔らかいというか率直な感情をぶつけた文章。良い意味で雑。軍人(国内法的にはあれだけど国際的にはいわゆる軍人なので)として、国民・国家をまもるための情熱と考えれば逆にありがたいと感じた。

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