【読書感想文】田口・白鳥シリーズ
田口・白鳥シリーズ / 海堂尊 / 宝島社
チームバチスタの栄光のみ図書館蔵書、他は古書として購入
チームバチスタの栄光 2023/10/4~28
ナイチンゲール沈黙(上下) 2024/6/6~11
ジェネラルルージュの凱旋(上下) 2024/6/12~2024/6/27
イノセントゲリラの祝祭(上下) 2024/7/9~2024/8/3
アリアドネの弾丸 2024/8/20~2024/9/12
ケルベロスの肖像 2024/10/11~2024/10/18
カレイドスコープの箱庭 2024/10/19~2024/10/25
チームバチスタの栄光は2023年の秋に読んでそれからしばらく間が空いていた。シリーズものを次々と読むような場合に貸し出し管理をするのが億劫になってきたので、本シリーズは一巻目である「チームバチスタの栄光」は図書館で単行本を借りたが、二作目以降はブックオフとメルカリを利用して文庫版を買い集め一回積んでから読み始めた。
チームバチスタの栄光はいわゆる医療サスペンスだが、ナイチンゲールの沈黙は人間ドラマ重視、ジェネラルルージュの凱旋は救急医療の矛盾に対する批判、イノセントゲリラの祝祭は霞が関(厚生労働省)批判となって、医療サスペンス色は薄れて行っていたがアリアドネの弾丸でサスペンスが中心にもどる。
純粋に医療ミステリーとして楽しめるのは第一作の「チームバチスタの栄光」だけで、あとは何らかの体制批判が入っている。それは海堂氏自身がAi導入で学会や厚労省関係の会議で苦労されている内容でもあるので、それはそれで面白い(興味深い方)のだが、ミステリーを読むつもりで読むと「あれ?」という気持ちになる場合も。
シリーズ全体の中で好きなのは「アリアドネの弾丸」だ。警察批判などは当然のように入っているのだが、トリックの混ぜ込み方がうまく物語として秀逸。落とし方はイヤミス的な感じではあるのだが、上手さの方が勝っている。
桜宮サーガで未読作品は大量にあるし、田口のシリーズもコロナ三部作があるがキリがないので海堂作品はここでとめて他の作品シリーズに手をつけていこうと思う。