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読むスキンケア、手に入れました。『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました。』

お風呂入りたくない時ってありませんか?
わたしは割とあります。
お風呂からあがって髪を乾かすのがめんどくさいし、何なら服を脱ぎ着するのすらめんどくさい。

そういう時は当然、メイクを落とすのもめんどくさいし、スキンケアをするのもおっくう。

以前、風呂に入れず、なのにダラダラとLINEをするわたしに、弟たちが放った一言が
「あのね、入って後悔する風呂はないよ」
です。これはぐうの音もでませんでした。
なんだかんだ入ってしまうと「入らなきゃよかった。わたしは何てバカなことをしたんだろう」なんて思わないもんな。

そしてごく最近、コスメの話をしていて言われたのが、
「落とさないメイクは後悔するよ」
です。
この、この差……

入って後悔する風呂はない、ということは、入らないという自由の余地がありつつ、プラスの効果があることを示唆しているので、素直に入るか!という気持ちになれるのですが、「落とさないメイクは後悔する」という言葉には一切の余地がない。
これは真実でしかないけれども、あまりにも絶大な真実すぎて嫌になってしまう。
肌を人質に取られてスキンケアをしているような気持ち。

勿論、この言葉自体はとっても効果があって、これを聞いてからよりちゃんと落とさねば!と思うようにはなったものの、時々、メイクは落とさないと後悔してしまうという事実にげんなりして、
「寝る前に…寝る前にはやるから……!!!」
などの言い訳を口にしながら、手が伸びなかったりしてしまうのです。
あ、お気付きですか。夏休みの宿題とか後回しにするタイプです。

そこで、「入って後悔するお風呂はない」に匹敵する、余地のあるポジティブワードがあればいいのではと思い至りました。
それが「やって後悔するスキンケアはない」です。
やーい、お風呂ワードのまんまでやんのー!

メイクを落としたらその後はスキンケア。そのスキンケア部分にポジティブさと余地があればいいのでは?と考えたわけです。かしこい。わたしかしこい。

そしてかしこいことを思いつくと、その後はひたすらテンションがあがるので、ここ最近はルンルンで「やって後悔するスキンケアはない」と唱えているので今のところ大丈夫なのですが、それでもおっくうな時は来る。来るんです。わかりますか。

まず、わたしはスキンケアやメイクなどの美容コンテンツが好きです。
一軍コスメを紹介する画像や文章、メイク動画や、最近の自分のスキンケアについて紹介する動画など、全部うっとりしてしまう。

でも好きであっても、めんどくささやおっくうさは襲ってくるのです。困ったことに。
そもそも、普段のお仕事や家事などは、HPを消費するものだと思っていて、メイクやスキンケアはどちらかというとMPを消費してやっているのですが、HPがなくなってしまうと、MPを消費してHPに変換してしまうので、もうギリギリの力でメイク落としシートで顔面を拭いて、そして倒れる。みたいなことしかできなくなってしまうんですよね。

そこまでの極限状態じゃなくても、急にMPが無くなってしまうこともあるっちゃあるんですけども。
もしかしたらば根本が怠惰であるということも関係しているかもしれません。
そうなると、MPを回復させねばならないわけです。
時間と共に回復は当然してくるのですが、それがいつになるのかゲージが見えるわけではないので、いつ回復するのか分からないもどかしさ。スキンのケアをせねばならんのに、そもそも己のケアができない。

そういう時は回復薬を使うのが一番。

わたしにとっての回復薬はたくさんあります。
さきほどのかしこいことを思いつくのもそうだし、インスタやTwitterで美容系の情報を眺めるのもそう。
でも一番パワーがあって、何度も効き続けるのは、スキンケアやメイクなどの美容の楽しさ、好きにやればいいという自由さを語っている、文章だったり、映像だったりです。

今回、わたしが読んだこちらの『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました。』(通称電父)はまさにそれ。
タイトル通り、筆者の伊藤聡さんが、電車の窓に映った自分の顔を見たことをきっかけに、スキンケアを始めていくというエッセイなのですが、すごくすごく良かったのです。

まず男性のスキンケア事情について知れたのが良かった。
わたしの弟たちは、それぞれスキンケアをしているし、従弟はメイク男子になりたいらしく、日々研鑚を重ねています。えらい。
元彼も、日差しの強い日は日傘をさしていたし、わたしにとっては、スキンケアには男女の垣根はないように思えていました。
でも、違うんだよな、わたしがちゃんと見えていないだけで、スキンケアへの壁みたいなものはあったりするんだよな、と先日弟と話していて反省したのもあって、

このエッセイで、男性がどういった部分に壁を感じるのかや、スキンケアについてどう捉えているのかを知れたのがとてもためになりました。
しない人はなぜしないのか、ということや、ケアをしない男性の心理、みたいなものは男性自身の口からあまり聞くことがない話だなと。
しかもそれをすごく赤裸々に書いていて、飾ったところがなく、さらにおもしろいという…!

勢いで『僕はメイクしてみることにした』も読んだのですが、こちらもおもしろかったです。電父と重なるところもありつつ、よりメイクに特化した内容で、すごく興味深かったです。
原案の鎌塚亮さんの連載もぜひ!!

(ついでにVOCEでの伊藤聡さんの対談もぜひ読んで!!)
前編: https://i-voce.jp/feed/2481321/
後編: https://i-voce.jp/feed/2484046/


そしてここ!ここが大好きなところなのですが、この本、スキンケアをやっているときの楽しさにあふれまくっているんです!!!!
これがよい。ほんとによい。

自分が過去、感動した商品のことや、効果を感じてうれしかった瞬間が鮮明にかけめぐったし、なにより伊藤さん自身の楽しむ気持ちの大きさが、ダイレクトに伝わってきて、こちらまでわくわくしてしまう。
商品の良さもダイレクトに伝わってきて、本の中に出てきたものを買いに走った人、絶対いるのでは???
だから私はメイクする 悪友たちの美意識調査』しかり、わたしは自分のために楽しく美容に夢中になっている様を眺めるのが好きすぎるんだ。

本の中で特に衝撃を受けたのがここ。少々引用させて頂きます。

「伊藤さん、スキンケア興味あるんですか」と佐々木さんは言った。
「興味あるッス」と私は答えた。ちょっと恥ずかしかったが、私は意欲に満ちていた。
「ちょっと、やってみようかと思って」

『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました』

わーーーーー!これ、これすごい。

永遠に自分語りをしますが、わたしがスキンケアに興味を持って、おもしろく感じ始めたのって正直社会人になってからだったんですよね。

それまでどうして興味を持っていなかったのかというと、スキンケアにかけるだけのお金がなかったというのもあるけれども「美容が好きというからには、美しくなければいけないのでは?」と思いこんでしまっていた部分があるんですよね。
そんなことないんですよね。もっと自由に好きに楽しめばいいものなのに。

それで勝手に壁を感じてしまっていて、どこかで興味があっても、まわりに「興味があるの!」と言うまでにかなりの時間がかかった覚えがあります。
それをこんな…一瞬で……すごい……!!!

そこを読んで、もう一つ思い出したことが。
コスメが好きな友人が、クリニークのリップの限定全色セットを買ったんですが、全色はやっぱり膨大な量だし、全てのカラーが入っているということは、当然パーソナルカラーに合わない色もある。でも、彼女はこう言っていました。
「使うとか使わないとか関係なく、まず見ていて楽しいの。こんなにかわいくて、色鮮やかなものが手元にあって、眺めるだけでわくわくするから欲しかった」

本当に自分の為だけに楽しんでいて、なんて自由なことか!!!!
そしてなんてなんて楽しそう!!!!

あの時に感じた解放感やわくわくした気持ちを、この本で再度感じることができました。
テンション上がってちょっといいパックしちゃいましたもん。

今はこの本も読んだし、運よく資生堂ゴールデンバランスメイクアップレッスン(これもまたレポを書きたい。とてもよかったのです)も行けたので、MPはもはや全回復を超えてありあまるような状態ですが、いずれきっとめんどくさい日は来るんです。来るんですよ。
でも、そんな時に読む本がまた1冊増えたこと、すごくうれしく思っています。

これを読むことで、スキンケアへのやる気が復活する。
つまり電父は、わたしにとっての読むスキンケアなのです。

さて、なんでめんどくさい時にもスキンケアをするの?と思った方もいるかもしれません。
わたしにとって、スキンケアは、めんどくさくてもお風呂に入ったらすっきりしていい気持ちになるように、やったら気持ちがよくって、そして楽しくなるからだと思います。
この本にも書いてある通り、楽しいんですよ、スキンケアって。
それに、やって後悔することはないんです、スキンケアは。
あなたも一緒に楽しみませんか?もし、すでに楽しんでる方であれば、「わかるわかる」とにこにこしながらお話を聞きませんか?

というわけで、宣伝です!!
伊藤聡さんのゲストイベント、4/21(金)20:30からありますよ!
〆切は同日20:00までなので、当日でも行けそうだ!となった方は、えいや!と申し込んじゃってください
そして読了の方は、参加費が半額に!(本を読んだ方は分かる質問が申し込み時にあります)
ちょっとだけ世界、変えてみませんか??

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