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中学受験の振返り⑦ -第1志望校の設定-

親がハマり、息子に開成の良さを訥々と説明したところ、見事に口車に乗せられ、息子は開成を第1志望とした。

ただ、それは当たり前の話だが、熱望と言うより(親は学校説明会に行き、マジで熱望したが)、全国で誰もが知る学校に行きたい、というレベルのものだった。
※:ちなみに、開成の偏差値に届いたことは4〜6年までで1度もなかったし、サピックスオープンでも合格率が50%を超えることも一度たりともなかった(サピックス偏差値で開成は67だったが、息子はだいたい48〜56くらいを往復していたレベルです)。

まぁ、息子の熱望度なんて、そんなのは子供特有の甘い希望的観測に過ぎないのは親としても重々わかっていたし、さらに息子が大事な局面で現実に向き合えず、逃げ出す性質があるということも良くわかっていた。

ただ、息子に夢を見せたのは他ならぬ我々、両親だった。

学校で馬鹿にされ、からかわれて、家に戻ると、ベッドで泣きながら「もう学校には行きたくない!」と叫んでいる息子を毎日見ていた。これが数回繰り返されたとき、もうバラ色の小学校生活は正直諦めた。先生に言っても、多分、息子が悪者にされるだけだろうし。既に述べたが、先生の息子の印象はあまりに悪く、息子をからかうのは、暗黙の了解があった。これは別に先生が悪いのではなく、公的教育の限界というだけの話だ。

だから、中学校は最高の別天地で過ごさせてやりたかった。ベッドの柵には無数の息子が齧った歯の跡があり、それに気づいたとき、彼を元気づけるためでもあったかもしれないが「お前なら開成、行けるよ。そしたら人生が変わる!」と言ったのは私だった。

この発言をきっかけに我が家は、本気で開成を第1志望とした中学受験に突入するのだが、当然、そんなに甘い話はない。ただ、夢を見させたからには、我々には開成に合格させる手段を息子に提示し、そこまで導く義務があると私と妻は考えたのだ。

しかし、全く勝算がなかったわけではない。

一番の大きいのは息子が中学受験をしたとき、コロナ全盛で最難関校にチャレンジする風習が減退しており、開成の受験者数が非常に少なくなるだろう、という予想がまず挙げられる。チャレンジしてくる受験者数が減るのだから、チャンスは例年に比べてずっとあるはず!
(今、見返してみると根拠ですらないなーと反省してます)

また、息子は本を読むのが好きで、とにかく読むスピードが尋常じゃなく早かったし、そろばんで培った計算能力はそのまま中学受験の大きな武器となると考えた。上手く3年間を過ごせれば、決して狙えないはずはない! と夫婦で真面目に思っていた。

ただやっぱり、そうは問屋がおろさなかった。


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