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「言葉の風景」は、同じじゃない。

ファミリーマートのプライベートブランド「お母さん食堂」が、22年春から「ファミマル」に変わります。名称をめぐってネットで大きな論争になったことが少なからず影響したのでしょう。「食事作りはお母さん(女性)の役目」-指摘を受けたファミマが一番驚いたかも。今の時代、「こりゃお袋の味だわ(あ、これもダメ出し)」「ご飯が進む~!」では済まなかったのですね。私は「お母さん食堂」の商品や、昭和風のれんのロゴが好きなので残念です。

コロナの間、私がその言葉を耳にするたび舌打ちしてツッコミを入れていたのが、「おうち時間」「(いわゆる)巣ごもり消費」「不要不急」。ま、「おうち」は“そうでも考えなきゃやってられん!” ってことかもしれませんね。弊社はクライアントにホテル・飲食・観光業・公共交通機関に連なる企業が少なくないから敏感に成らざるを得ない事情もあります(ほかに観劇やコンサート、カラオケやパチンコだって)。旅行やウィンドショッピング、会食・宴席はあたかも「生きていくのに必要ないでしょ!」くらいの強烈なメッセージとして人々にすり込まれ、そこには新たなマーケットが生まれました。それはそれで、悪いことだとは思いませんが・・・

要は「(緊急事態下における)優先順位」だと思うのです。しかし肝心の発信力がある方々からのメッセージは微妙にストライクゾーンを外しまくっていました。。。。関係する人々の仕事のやりがいや誇りにも蔭を落としたかもしれません。

言葉は難しい。気分や立場、置かれた状況で「風景」がまったく違います。かといって誰からも文句を言われないよう全方位で守りに徹しては、言葉の勢いや魂がそがれてしまう(言霊ですものね!)。できることは、せめて言葉の影響力に畏れを抱き、「景色の見え方」は人それぞれなのだ、と心に留めておくことでしょうか。

朝のN○○ニュース(地方局)を見ていたら、中国・上海の朝食の様子を紹介していました。中国人レポーター「上海では朝食を外で食べる(買う)習慣が根付いています」。日本人アナウンサー(男性)「朝は忙しいですからね」と。この何気ない会話だって、聞く人が聞けば「キーッツ!!」となるかもしれないなぁ。。。。ひゃ~っ。難しい!

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