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昼月まひる
2021年7月27日 19:45
今日、「胎嚢」という赤ちゃんを包む袋のようなものが子宮の中に見えたら、私たち夫婦の希望は、また少しだけ前進することになる。 着床を確認してから10日、運命の分かれ道になるかもしれない検診日。 この7年間で一度も経験できなかった、正確に言うと血液検査の数値的に「かすりはしたかも」のときが1回だけあったのだけれど、しっかり受精卵が子宮に着床したと「妊娠」の陽性判定がもらえたのは初めてのことだ
2021年7月23日 19:44
「12時40分から飛ぶらしいよ、ブルーインパルス」 ベランダの掃き出し窓をがらりと開け、洗濯ものを干していた私に夫が言った。「えー、どっち? どっちの方向?」「たぶん、あっちかな」「見えるかなぁ」 ふたりで空を見やる。濃い青色をした夏空は、雲ひとつないとはいかずに、ところどころにわた雲が浮かんでいた。 今日は東京オリンピックの開会式だ。夜8時からの式を前に、ブルーインパルス
2021年7月21日 19:19
腹の奥底のほうが、ズキリとした気がする。 嘘だ。たぶん、いつもの思い違い。妊娠の可能性などまったくない、なんでもない日にもときどき起こってきた違和感。妊活であろうが、不妊治療であろうが、自分の子宮を常に気にしてしまう生活をしたことがある人なら、たぶん経験者は多い。 不妊治療を始めて7年目となる今年、奇しくも大波乱の東京オリンピックが開かれようとしているその直前に、私は初めて着床に至った。
2021年7月21日 00:02
とうとう朝が来た。7時に指示された投薬をするため、いつもより早く目覚ましをかけたけれど、それよりもだいぶ前に目が覚めてしまっている。 今日は「判定日」だ。無事に5日目の胚盤胞まで育った受精卵を卵巣に移植してから、1週間。クリニックが指定した日に審判は下る。 この1週間は異常に長かった。自衛本能で「そう簡単にはうまくいかないだろう」と何度も自分を抑える一方で、「今回は今までと比べてもいい状