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小説|晩産のたしなみ。

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いわゆる晩婚、もしかしたら「晩産」に至れるかもしれない40代のリアルデイズ……。いちコピーライターとして初めて書き残したくなった自分ごとは、苦節9年、不妊治療の行末でした。普通の…
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2023年4月の記事一覧

DAY28.  遅れてやってきたひなまつり

DAY28.  遅れてやってきたひなまつり

 女の子、だった。 

 流産手術の後、絨毛検査でわかったのは、今回の流産がやはり受精卵の染色体異常によるものだったということ。そして性別だった。何番目の染色体がトリソミーだったかとかなんとかは、もう覚えていない。

 2度目に流産したのは男の子で、今回の3度目は女の子で。1度目は検査ができなかった。

 性別を知らされると、とたんに胸が詰まるような実感が押し寄せてくる。それでもやっぱり、知りたか

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