見出し画像

ご依頼ドット絵メイキング『カリンバ』

今回は、猫ドット絵(『おねだり姫』として公開済み)といっしょにSONOさんから依頼を受けていた『カリンバ』のドット絵を作成します。

時期がズレたのは、正直難しいので「どうしよっかな~」と思っていたからです。でもまあ「できませえん」とはなかなか言えない体質なので、やるしかない! というわけです。ガンバリマス!

ところで『カリンバ』とはなんでしょう。「マリンバ」なら聞いたことがある、という人は少なくないと思います。

マリンバは木琴の一種で、起源はアフリカ。一方のカリンバもアフリカの楽器で、ただし木琴ではなく金属棒を爪弾いて演奏します。またマリンバとは違って"てのひらサイズ"なので「親指ピアノ」や「ハンドオルゴール」という呼び名もあるそうです。

なるほど、「手で弾くオルゴール」と説明すれば、わかりやすそうですね。音、キレイです。

実物はこんな感じ。

写真:SONOさん提供

"kalimpan"のYouTubeチャンネルでは、SONOさん作曲『小さな向日葵』を聴けます。


とにかく手を付ける

カリンバをドット絵化することのなにが難しいって、鍵盤(金属棒)部分ですよ。

情報量が多すぎてドット絵に収められるはずがない! としか思えずにずっと現実逃避していたのですが、いつまでもそうしているわけにはいきません。こういうときは「とにかく、やってみる」しかないでしょう。

まずは、ざっくり下描きしていきます。小さいドット絵にするほど難易度は上がるので、キャンバスは少し大きめの32x32ドットにしておきます。

手順① 土台を描く

なんだか土台の直方体が歪んでいますが、あとで丸みを帯びた形状に直すので今は気にしません。

手順② 鍵盤を描く。

はじめは鍵盤をひとつひとつ個別に描こうと思ったのですが、いくらなんでも厳しそうなのでくっついた状態でアタリをつけることにしました。

手順③ 鍵盤を分轄

続いて、ホームベースのようだった"鍵盤板"をためしに分轄してみて、個別の金属棒をどれだけ描けるか試します。一般的には、カリンバは17keyあるいは24keyだそうですが……無理無理!

どうしよっかな~と思いつつネットでカリンバを検索してみたところ、数本のヘアピンを利用してカリンバを自作する記事や動画が見つかりました。それを見ると、金属棒の本数は意外と少なくてもカリンバとして成立するようで、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの7音さえあれば簡単な曲を演奏するのには困らなさそうでした。

というわけで「最低7本」を目標にしてみたところ、なんと偶然にも7分割できたのでした。一番奥(上)以外は2ドットの幅を確保できたので、最低限の立体感もつけられそうです。

「これならいける!」と信じて作業を進めることにします。

鍵盤に集中

鍵盤に集中するため、土台のことは一度忘れます。

手順④ 土台を消す

ところで、問題は金属棒の数だけではありません。

カリンバの金属棒はまっすぐ平べったいものではなく、下から2本、上から1本の支え棒的なもの(呼称不明)に挟まれて押さえつけられており、金属棒はすべて逆"へ"の字に湾曲しています。それを爪弾くことで、ピン♪ ポン♪ パン♪と音を出すわけですね。

カリンバ形状②(SONOさんの旧Twitter投稿より

正直このサイズでそこまで表現できるか! という感じもするのですが、今回は「とにかく、やってみる」作戦で行くしかありません。行きますよ! とにかくです!

手順⑤ 上から押さえ棒を被せる
手順⑥ 影を落とす

おおっと? 強めの影を落としてみたところ、なんだかイイ感じになったかもしれません。目の錯覚で、影のある部分が下に凹んでいるように見えます。

これはイイ感じかも!?

土台に戻る

鍵盤については不意に光明が見い出せたので、雑に放り出していた土台の方に戻りましょう。

手順⑦ 土台に着色

土台部分は手に優しい丸みが必要です。角張ったカドを取りましょう。

手順⑧ カドをとって丸くする

う、うーん。

なんだか無性にコロッケを食べたくなってきました。

言われてみれば「カリンバ」って名前自体が、揚げ物っぽいですよね(※誰も言ってません)。

もっと丸くして、さらにコロモのぷつぷつ感を出して美味しいコロッケを目指したいところですが、今回は依頼モノなので涙を呑んで自制することにします。うう。

手順⑨ 下から支え棒2本を加える

というわけで、下から支え棒2本を土台に取り付けてみました。ま、上から鍵盤を乗せるとほとんど見えなくなるので、言っちゃなんですがここはテキトーです。

合体して完成へ

土台の準備も整ったので、あとは鍵盤と合体させてみましょう。

えい!

手順⑩ 合体!

うん、いける。いけますね!

あとは細かいところを詰めていきましょう。

手順⑪ 土台に丸穴をあける

カリンバの土台・木部は様々なデザインがあり、個性豊かです。SONOさんのカリンバは箱型タイプで、丸い穴(サウンドホール)があるのでそれを描き入れました。

手順⑫ 鍵盤の影を落とす

鍵盤・金属棒の先が浮いていることを強調するために、木部に影を落とします。気のせいなんですけど、金属棒が湾曲しているように見えてくるから不思議です。

さあ、残すは金属部分の色調整のみ!

手順⑬ 金属部の色を調整

コントラストを維持しつつ、明色と暗色をそれぞれ2~3段階にわけて塗り直し、金属棒の細さとキラキラ感を際立たせたら完成です。

これにて、ドット絵『カリンバ』のできあがり!

できてホッとした!

いや~自分では決して描こうとしないものでしたが、「依頼だから」ということで頑張った結果、「できそうにないことができた」という経験ができたのは非常にラッキーでした。

さー、ドット絵は無事完成したことですし、記事もおしまい。このあとは美味しいコロッケを食べたいところです!

もちろんお味は、カリカリでンバンバなやつをね。

(おしまい)





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?