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【書評】東京を捨てる
こんにちは。今日、読んだ本をご紹介します。
タイトルは『東京を捨てる コロナ移住のリアル』。昨年の5月、東京から淡路島にコロナ移住した著者が、その現実のところを書いた本だ。自分以外の移住者や移住支援団体、地方自治体などを取材し、立体的にまとめられている。
二人の子をもつ親としては、地方で子育てしたいという想いは以前からもっていた。私自身、小学生の頃に都会から田舎に引っ越したことがあって、広々とした景色をとても好きになった記憶がある。いまコロナの影響で売り物件が減り、都内のマンション価格があがっている。売り時だ。
また、ひとたび地震が起きると、都会暮らしは脆弱であることは身に沁みてわかっている。「東京を捨てる」ことについて、妻とも時々話をしていた。そんなときにAmazonで偶然目についた本書を読んでみようと思ったのだ。瞬時にワンクリックで購入した。
オビには「さらば、満員電車」と大きく書かれている。会社を辞めて起業したばかりの私には、なんの効力もないキャッチコピーである。しかし、それに8歳の息子が反応した。しばらく、表紙を凝視した後、「さらば、満員電車」と嬉しそうにつぶやいたのである。
こういうとき私は、あぁいい機会だなと思うようにしている。そこで少し話しかけてみた。「東京を捨ててさ、田舎に行こうと思うんだよね。どう思う?」息子はモジモジしている。でも、まんざらでもなさそうだ。「田舎は広いし、お庭もあるでしょ。武史は好きだよ」
パパ「でもたくさん虫がいるし、ヘビもいるかもよ」
息子「武史は大丈夫だよ。遠足でヘビ見たけど僕だけ驚かなかったし」
パパ「ただ、パパは車のらないからさ。そこが心配なんだよね」
息子「そうだね。武史も車は苦手なんだよね。すぐ酔うし」
娘もそうだが、引っ越しや転校については、特段抵抗はなさそうだ。我が家にとって田舎暮らしの問題点は、おそらく車だけだろう。ある程度、公共交通網が発達した地方都市ならありかもしれない。この本を読むことで、そんな現在地がわかった。
本書には、国や自治体が準備している移住に関わる補助金の情報なども意識的に盛り込まれていて、実用的な移住ガイド本の側面もある。実際に移住を検討中、あるいは頭の隅でいつも考えている、という方は読んで損がない本だと思う。
しかしわが家の場合、子供たちももう小6と小2だ。もたもたしていると、暮らし始めたらすぐに都会の大学に通うために家を出ていくなんてことになってしまうかもしれない。あるいは高校で出ていくケースすら考えられる。
やるなら、今だろう。でも、いまは私も東京で妻もやりたいことがある。夢を追い始めたところだ。子供たちには、その背中を見せることを何よりの教育としよう。せめて、心のなかだけは広々と自宅は安心して戻ることのできる場所にすることにしよう。結論が出た。
そう。私たち家族は東京を捨てない。
本書に書かれた移住者の生活が、魅力的でなかったからではない。おそらくは私が「すでに満員電車とおさらばしている」からだと思う。そして、何よりも夢を持って歩き始めたからだと思う。それに気づくことができた。あぁ、本書を読んで良かった!
面白いことだけれど…
会社員の頃よりも、いま私は東京そのものに魅力を感じているのだ。
リモートワークが進んでいる職種で、子供が生まれたばかり、車生活で不自由しない。そんな方なら、検討する価値あるなぁと思いました。それから、意外と地方には1次産業の仕事はあるようなので、所得以外の価値を見いだせる方は完全な田舎暮らしもよいかもしれません。
要するに、選択肢が広がっているということ。
何も考えずに惰性で生きるのだけはもったいないですね!とにかく、本をたくさん読みましょう。
それでは皆さん、またnoteでお会いしましょう!
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