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第01話 初めの記憶

はじめ


全てのつながりはここから始まる。

ナビ:ほわぶら

ナビ:これは人間が紡ぐ感動の物語

初めの奇跡

宇宙から青い球体が見える。
とても広大な空間に存在する青い星である。

レナ:仕事も…争いも…喧噪もない…

レナ:それこそが星としての真実の姿…

この青い星は、微惑星たちの幾度もの衝突と合体で生まれた。
生物も幾度となく絶滅と進化を繰り返し、現在に至る。

全ては奇跡の連続であり、存在することそのものが「賜物」
それこそが奇跡の星である。

レナ:さて…この青い星の…

レナ:…奇跡を見てみましょうか…

上空から星へと徐々にズームアップしていき、とある島国に場面は移る。
さらにズームアップしていき、島国のどこか、砂丘の頂きに辿り着く。

初めの軌跡

そこには青年が一人、砂丘の馬の背(うまのせ)に立っていた。

黄昏の中、夕暮れの海をひとり眺めている。
黄金色(こがねいろ)の光は、彼の道しるべとなる。

青年:ハァ…

青年:何度見ても綺麗だな…

彼は数年前から、この場所に何度も来ている。
何かある度に、ここで思い悩やんでいた。

彼が思い悩む理由は定かではない。
恋多き年頃、想い人への悩みかもしれない。

黄金色の光が、彼を優しく包む。
海面にキラキラと漂う水光が、彼の心のようだ。

青年:……

青年:・・・・・・・ ・・・

暫くして彼は何かをつぶやき、そっと目を閉じた。
夕日も沈み夕闇が迫る。

これが彼の軌跡となった。

青年が目を閉じた後、青年を起点に世界は徐々にフェードアウトしていく。
そして遥か彼方の宇宙空間へと場面は移る。

初めの記憶

この普段と変わらない日常こそが、奇跡の証なのであろう。

今日という日常は、誰かが望んだ夢だったのかもしれない。
今という現実は、消えた世界が夢見た、記憶の一部なのかもしれない。

生物は絶滅と進化を繰り返した。
生存競争に負けた者たちの夢。

奇跡の連続が現在である。
奇跡に敗れた者たち、敗者の記憶の物語。

それが…

ほわぶら

レナ:ほわぶら

ナビ:ほわぶら

奇跡の星は、静かに時を進める。

つづく。


【EPISODE01】ほわぶら第01話 初めの記憶


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