大阪主夫

大阪在住の主夫です。そのCDを買うべきか、借りるべきか(借りた場合はどのカセットテープ…

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大阪在住の主夫です。そのCDを買うべきか、借りるべきか(借りた場合はどのカセットテープに録音するか)、それが大問題だったあの頃に聴いてきたアルバムを中心に、好きなところやまつわる思い出を書いていきます。

最近の記事

絶妙な洒落ポップ加減が極まった『Running In The Family』 LEVEL 42

暑い日が続きますね。無駄にビールばかり消費してますが、最近のお気に入りはサッポロのGOLDSTARです(正確にいうとビールじゃなく発泡酒ですね、すみません)。 ビールを飲みながら、暑苦しくなく、聴きやすい音楽を求めて、レヴェル42を聴いております。 レヴェル42が1987年にリリースした『Running In The Family』は、どういうわけかバンドについて一度も掘り下げることがないままに今日まで愛聴し続けているアルバムです。 せっかくなので少し調べてみると、レヴ

    • 車で音楽を聴くことがひたすら嬉しかった頃の定番 『The Extremist』 JOE SATRIANI

      ジョー・サトリアーニがサミー・ヘイガー、マイケル・アンソニー、ジェイソン・ボーナムとともに来日し、ヴァン・ヘイレンの曲を演る予定になっています。ギタリストとしては大変な名誉であると同時にとんでもないプレッシャーでしょうが、やるなら彼しかいないと思います。 ジョー・サトリアーニは大好きでして、中でも『The Extremist』(1992年)は繰り返し聴いた思い出深い1枚です。何しろ初めて自分の車(中古ジムニー幌)を持った頃にリリースされ、車中で聴く定番となったアルバムなので

      • 私にとってのRUSH

        音楽プロデューサーのピーター・コリンズが亡くなりました。73歳というのは少し早い気がしますが、ご冥福をお祈りします。 クィーンズライクの『Operation: Mindcrime』をプロデュースしたピーター・コリンズは、その1点だけでも偉大なプロデューサーと言えますが、改めて彼の作品群を見てみるとゲイリー・ムーアやアリス・クーパー(『Hey Stoopid』は彼のプロデュースだったんすね、カセットテープでよく聴きました)、ボン・ジョヴィの『These Days』といったとこ

        • やっぱり熱量に優るものはないと実感する『Funeral』 ARCADE FIRE

          ちょっと迷いました(理由は後述します)けど、かなり聴き込んだアルバムなのは間違いありませんし、熱心にフォローしていたバンドですので、やっぱりここで取り上げてみたいと思います。 アーケイド・ファイアはバンドというよりは楽団といった感じのグループで、ヴォーカル/ギターのウィン・バトラー(テキサス出身)がモントリールへ移り住み、そこで出会ったレジーヌ・シャサーヌ(のちにウィンと結婚)と結成されたのが始まりです。 2003年のEPを経て、初のフル・アルバムとなったのが本作『Fun

        絶妙な洒落ポップ加減が極まった『Running In The Family』 LEVEL 42

          穏やかで美しくて辛辣な曲に魅了される 『Lost In Space』 AIMEE MANN

          音楽は鳴らしたいけど、これといって聴きたいものがあるわけでもない時、私はエイミー・マンを選ぶことが多いです。うるさくなくて、無理な進行がなくて、ポップ過ぎずに優しくて美しい。どのアルバムもそんな曲でいっぱいです。 ニュー・ウェーブに分類されるバンド、ティル・チューズデイとしてデビューし、“Voices Carry” (1985年)がヒット。この曲はかろうじてリアルタイムで聴いていましたが、ここで歌っていたのがエイミー・マンだと知ったのは少し後になってからでした。 1993

          穏やかで美しくて辛辣な曲に魅了される 『Lost In Space』 AIMEE MANN

          らしさ満点ではなかったかもしれないけど完成度は高い 『Persistance Of Time』 ANTHRAX

          アンスラックスならおそらく、『Among The Living』か『Spreading The Disease』が代表作となっていると思います。もちろん私も大好きですし、これらに『State Of Euphoria』を加えてよく聴いたものです。中でも『Among The Living』が持つ威力はすごくて、高校の学祭で友人のバンドが “Indians”を演った時にはそれはそれは盛り上がりました。良い思い出です。 この辺りのアルバム群が最もアンスラックスらしさが発揮された頃に

          らしさ満点ではなかったかもしれないけど完成度は高い 『Persistance Of Time』 ANTHRAX

          音や見た目の変化よりも充実した楽曲群が肝だった 『Achtung Baby』 U2

          私くらいの世代(1972年生まれ)にとって、好き嫌いに関わらずU2は大きな存在だろうと思います。 初めて聴いたU2は1987年リリースの『The Joshua Tree』で、当時はその背景や意義を全く知らずにいましたが、そんな中学生の私にも「何か崇高なものが鳴っている」ように感じられました。聴き込むほどに引き込まれていき、すっかりU2のファンになりました。 過去作を貪るように後追いしながら『Rattle And Hum』(1988年)のリリースを迎えます。これもさほどその

          音や見た目の変化よりも充実した楽曲群が肝だった 『Achtung Baby』 U2

          アルバイトのほろ苦い思い出と 「California Dreaming」 THE MAMA’S & THE PAPA’S

          今回は音楽とそれにまつわる少し苦い思い出を。 学生の頃、近所の蕎麦屋さんでアルバイトをしていました。卒業までの4年間、スキー場で働く冬の間を除いて、ずっとここで働かせてもらいました。 店長は私の父親と同じくらいの年齢で、まさしく札幌でのお父さんのような存在になりました。店長の家族や他のバイトと一緒に食事へ行ったりしましたし、店長と2人で飲みに行ったこともありました。バイトに来ている学生にはいつも親切に接してくれる店長でした。 私は主に夜のシフトで、普段は店長と私を含めた

          アルバイトのほろ苦い思い出と 「California Dreaming」 THE MAMA’S & THE PAPA’S

          タイトル通りの優しい音楽が美しく響き渡る『Good Dog, Happy Man』 BILL FRISELL

          決してジャズに精通しているわけではないので難しいアルバムは敬遠していますが、それでもビル・フリゼールの何枚かは相当な愛聴盤です。 中でも、1999年リリースの『Good Dog, Happy Man』は、それがジャズかフォークかカントリーかというような定義づけを超えて、音楽が好きなら誰でも楽しめるアルバムになっていると思います。アルバムジャケットとそこにつけられたタイトルが表す通りの、優しい音楽に癒される62分です。 ビル・フリゼールはおそらくジャズ・ギタリストとして認識

          タイトル通りの優しい音楽が美しく響き渡る『Good Dog, Happy Man』 BILL FRISELL

          メタル・ゴッドでなければ何の問題もなかった 『Turbo』 JUDAS PRIEST

          ジューダス・プリーストが16作目のリリースを2024年3月に控えています。ファンからは“メタル・ゴッド”と称され、まさしくヘヴィ・メタルを象徴するバンドの新譜を楽しみにしている方もたくさんいらっしゃるでしょう。 ジューダス・プリーストの代表作と言えば、『British Steel』(1980年)や『Screaming For Vengeance(復讐の叫び)』(1982年)、50歳前後だと『Painkiller』(1990年)を挙げる人が多いかもしれません。 私が一枚選ぶ

          メタル・ゴッドでなければ何の問題もなかった 『Turbo』 JUDAS PRIEST

          バンドの圧にふっ飛ばされた Queens Of The Stone Age の大阪公演

          Zeppなんばへ、クィーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ(QOTSA)を観に行ってきました。あまりの凄さにしばらくの間、余韻的放心状態になりました。いやもう、痺れたのなんのって。 ライブ当日、Zeppなんばまで出かけるついでに日本橋方面の中古CD店を見てみようと目論んだ私は、初めてのZeppを通過しながら日本橋方面へ向かうことにしました。 結構な雨の日だったのですが、Zeppへ近づくと既に傘を差した人達の行列が!開場まで2時間以上はあるのに!これが1階スタンディングの前方

          バンドの圧にふっ飛ばされた Queens Of The Stone Age の大阪公演

          彼らにとっての英雄だったエド・シーラン

          京セラドームでエド・シーランを観てきました。 きっと若い人ばかりだろうと思っていましたし、実際そうでしたが、想像していたよりは幅広い年齢層だったことに安心しました。1人で来ている同じ年くらいの人も見かけましたし、さすが現代のアイコン、エド・シーランです。 1stアルバム『+』はとても気に入ってよく聴きましたし、激売れした『×』や『÷』までは結構聴いていました。 ただ、それ以降のアルバムは聴いておりませんで、そんな私が観に行っても良いものかと気後れしていましたが、追加公演

          彼らにとっての英雄だったエド・シーラン

          ジャンルを超えた音楽の集大成 『Spirit Trail』 BRUCE HORNSBY

          いやもう、「なぜこのアルバム・ジャケットなのか?」と思いますが、きっとブルース・ホーンスビー流のユーモアなのでしょう。「だとしても裏ジャケットで良かったんじゃないか?」と凡人である私などは思ってしまいますが、裏ジャケットはなんとご丁寧にこのおじさんの口元のアップ。写っているのは叔父のチャールズ・ホーンスビーなんだそうです。 私はブルース・ホーンスビーが大好きでして、ハードロック/ヘヴィメタルに入れ込んでいた時期でも新譜が出ればチェックしていました。好きなアルバムはたくさんあ

          ジャンルを超えた音楽の集大成 『Spirit Trail』 BRUCE HORNSBY

          確かなテクニックをベースにユーモアも溢れる『Confessions』 Dweezil Zappa

          ドゥイージル・ザッパが1991年にリリースした『Confessions』は、父親であるフランク・ザッパ譲りの変なリズムやテクニックを見せながらも、ポップ・センスやユーモアに溢れる曲が満載の楽しいアルバムです。 アルバムはエクストリームのヌーノ・ベッテンコートと共同でプロデュースされています。収録曲でもいろんなところからヌーノの声が聴こえてきて、⑷ The Kiss に至ってはメイン・ヴォーカルです。少し前にFoo Fightersへ加入したジョシュ・フリースが多くの曲でドラ

          確かなテクニックをベースにユーモアも溢れる『Confessions』 Dweezil Zappa

          きらびやかな時代の出会いに感謝 『Back In The High Life』 STEVE WINWOOD

          スティーヴ・ウィンウッドはそれがヴォーカルであれオルガンであれギターであれ、この世の誰と共演することになっても気後れする必要のない存在だろうと思いますが、“Higher Love”で初めてスティーヴ・ウィンウッドの曲を聴いた中学生の私は、高らかな声で歌う彼が10代半ばから活躍している天才だなんてことはもちろん知りませんでした。「なんと洒落た、大人の音楽なのか!」とただただ衝撃を受けたのを覚えています。 本作がリリースされたのは1986年。当時は4枚目のソロ・アルバムという認

          きらびやかな時代の出会いに感謝 『Back In The High Life』 STEVE WINWOOD

          聴くジャンルをひろげてくれた 『For Emma, Forever Ago』 BON IVER

          いまやインディー・ロックの枠を遥かに飛び越えて、テイラー・スウィフトをはじめとする著名アーティストとのコラボレーションでも知られることになったボン・イヴェールの1st アルバム『For Emma, Forever Ago』がリリースされたのは2007年。それまで私が聴いてきたものとは少し違う、不思議な音楽でした。 ボン・イヴェールは一応、バンド名ということになっていますが、その実態はほとんどジェスティン・ヴァーノンのソロ・プロジェクトと考えていいと思います。名前はフランス語

          聴くジャンルをひろげてくれた 『For Emma, Forever Ago』 BON IVER