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確かなテクニックをベースにユーモアも溢れる『Confessions』 Dweezil Zappa

ドゥイージル・ザッパが1991年にリリースした『Confessions』は、父親であるフランク・ザッパ譲りの変なリズムやテクニックを見せながらも、ポップ・センスやユーモアに溢れる曲が満載の楽しいアルバムです。

アルバムはエクストリームのヌーノ・ベッテンコートと共同でプロデュースされています。収録曲でもいろんなところからヌーノの声が聴こえてきて、⑷ The Kiss に至ってはメイン・ヴォーカルです。少し前にFoo Fightersへ加入したジョシュ・フリースが多くの曲でドラムを担当。それ以外にもMC・ハマーやポーラ・アブドゥル、マイケル・J・フォックスやクリント・イーストウッドという、どこまで本当なのかわからないクレジットもあります。

ビートルズのカバー“Anytime At All”でのクレジット


ギターソロでザック・ワイルドとウォーレン・デ・マルティーニが登場する ⑺ Helpless や、この時代らしいギター・インストの ⑻ Shoogagoogagunga、ポップでメロディも美しい ⑽ Maybe Tonight や ⒀ Pain Of Love あたりが聴きどころですし、私のお気に入りでもありますが、ここで取り上げたいのはやっぱり ⑼ Stayin’ Aliveです。

Bee Geesによる大ヒット曲のカバーですので、何も知らなくても普通に楽しめますが、ギターソロではザッパ、ザック・ワイルド→スティーヴ・ルカサー→ウォーレン・デ・マルティーニ→ヌーノ→ティム・ピィアースによるリレーを聴くことできます。当時はギタリストによるコンピレーション・アルバムも結構出ていましたが、ギターソロでのリレーとなるとここまで豪華なものはそんなになかったと思いますし、いま聴いてもアガりますね。ちゃんとスタイルを感じられるのがすごい!

⑾ Confessions Of A Deprived Youth は本当に良質なギター・ハードロックですし、⒁ Obviously Influenced By The Devil はザッパの息子であることを実感するインストになっています。

何やらバカバカしい感じだけど聴いてしまうのが ⒂ Return Of The Son Of Shoogagoogagungaで、登場する2人の会話はなぜかしっかりと文字起こしされています。繰り返し聴いていると「No Dude Don’t Say That!」は思わず一緒に言ってしまうようになります。

キャッチーでポップながら、しっかりとギターアルバムでもある本作は当時、日本盤でのリリースがなく、輸入盤店で探したのを覚えています。そんなアルバムを見つけ出し、入手できた喜びも相まってよく聴いたアルバムでした。わざわざ出かけて行って買って家に帰らないと聴けなかった時代を思い出します。


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