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前の記事をお読みくださった方、
またリアクションくださった方ありがとうございました。

前回の記事では、
私がキャリアカウンセラーの仕事に出会うまでをまとめました。
キャリアカウンセラーのライセンスを取得した後、
私がどんな職業経験をして何を考えたのか、もう少し文章していきます。

⇩前回の記事  自己紹介 その1
https://note.com/houraisen/n/n210a7e245219


新卒で入社した会社を退職し、
設立して10年程のベンチャー企業に転職した。
営業スタイルが「対面」から「テレアポ」と変化。
仕事を通じて、誰かに付加価値(満足や嬉しさ)を届けるには、
まず自分が納得した生き方をしている必要があると気づく。

入社5年目、私は新卒入社した会社から転職した。
理由は、企業経営に関わる仕事がしたいと考えたからだ。

この決断の裏には、二つの出来事があった。

一つ目は専門商社で働いていたとき、
仕入先の町工場が廃業したことである。

この町工場の社長には、新入社員のときからお世話になっていた。
部品図の読み方を教えてくれたのも、上司ではなく社長だった。

社長から廃業する理由を聞いた。
すると仕上げ研磨の職人が体調を崩したからだと言っていた。
この話をするとき、社長の表情には笑顔があった。
しかし内心では、私を不安にさせないようにと、
取り繕っているように感じられた。

専門商社に勤めるものとして、顧客に同じ品質の部品を納めるために、
それを製作できる新しい仕入先を見つける必要があった。
しかしその焦りよりも、
「会社を畳む前に、自分が社長にできることはなかったか」と、
何もできなかったことを悔いる気持ちの方が強かった。

もう一つの理由に、私の家業の影響がある。

私の父親は卸問屋の社長だった。祖父が創業者であり、
家族がいるように、いつも私の傍らに父親の会社があった。
私は「いつか自分が継ぐことになるのかな」と、
小学生のころから意識するほど、思い入れがあった。

しかし私が20代前半のとき、不景気により廃業することになった。
創業者である祖父は、廃業する前に亡くなっていた。
祖父は亡くなるその日まで、
いつも仕事のことを考えているような人だった。
父親も会社を守るため、毎日朝5時に起きて仕事に出掛けていた。
私はそんな家で育った。だから「働く」ことが、いつも身近にあった。

「働くことが、もっと楽しいものであって欲しい」
それを実現するために、経営はいつも関心のあるテーマだった。

こうして私は、縁あって
2社目のベンチャー企業に転職したのである。

この会社では、
中小企業やスタートアップに、投資計画や経理に関する相談を受け、
営業代行やマッチングサービスを提案し、そのサービス運営にも携わった。

この会社ではテレアポ営業が多く、業務にはスピードが求められた。
前職は対面営業で、じっくり顧客と仕様を詰めていくスタイルだった。
そのため仕事に慣れるのにとても苦労した。

なんとか耐えて、申し込みが取れるようになった。
そしてこの仕事でも、たくさんのことを学ばせてもらった。
「コンサルタント職」「ECビジネス」「投資業」など、
挙げることが困難なほど、多業種・多業界の経営者と話しをした。
顧客の経営者は、事業の状況や将来どのように展開したいかなど、
普通では話せないことも話をしてくれた。

自分のことを信用していなければ、こんな話しはしてくれないと思う。
そう思うと嬉しくなり、実績にも繋がっていった。

しかしある時から、
会社に対して疑念を持つようになった。
それは頼りにしていた先輩社員が、突然退職してからだ。

会社はその人材不足を補うため、パート社員を採用した。
そして均一な業務が行えるよう、作業をシステム化し、
ルールやマニュアルを重視した。会社にとって必要な改革だったと思う。

しかし私は「先輩の退職の裏に何かあったのではないか」と考えてしまい、
会社のやることに対して、信用できなくなっていた。
そんな気持ちで仕事をしたものだから、顧客とのやり取りもちぐはぐになった。

会社を辞める直前に、顧客から
「こんなひどい電話を受けたのは初めてだ」と言われた。

このとき私は、はっとした。

自分と関わったために、顧客を不快な気持ちにさせてしまった。

「私はここで仕事をしていてはいけない」
そう思い私は会社を辞めた。

―最後に―

「誰かに嫌われないように」「誰かに喜んでもらうために」と思い、
自分が嫌な気持ちになることを許してはいないだろうか。
私は「誰かのために」と、自分の気持ちを軽視しした結果、
人を不快な気持ちにさせてしまったのだと思う。

人は納得のいく生き方、働き方ができて初めて、
自分のベストコンディションを維持でき、
その分、誰かを思いやることができると考えるようになった。

私は退職するとき、社長から最後の言葉をもらった。
「君が営業できるのは分かってる。もう組織に属さず仕事をしなさい」と。
これから自分のやることが決まった瞬間である。


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