子どもと上手く関わるために。

子どもと上手く関わりたいのなら、小手先のテクニックを学ぶよりも、人間関係について学ぶべきであると考えます。
それは子どもも一人の人間であり、親子という関係も人間関係から構築されるものだからです。

人間というのはどういう生き物なのかを知れば、自ずと子どもとの関わり方が見えてくるのではないでしょうか。

子どもは親に愛情を求めるし、親も子どもに従順さを求めていいます。
お互いに幸せになろうと無意識下でもそのように働きかけてしまっているのです。
悲しい気持ちでいるよりも、嬉しい気持ちで過ごしたいと思うのは少し考えてみれば簡単に分かることですね。

良い人間関係を作るために必要なことは、“私が欲しいと考えるものを手に入れるために、相手の欲しいと望んでいることを与えること”だと思います。
つまり、「等価交換」です。
等価というのは、等しい価値ということですが、価値判断は人それぞれ違います。
様々な他人がいるなかで相手の求めていることを理解して与えていくことが、実は自分が欲しいものを手に入れることへの基本的な道のりとなります。

相手に見返りを求めてするやりとりや、媚びへつらうような関わりではうまくいきません。
表面的には自分の思ったようになることもあるかもしれないですが、「人間関係を作る」という点では全く成し得ていないのです。

人は対等(平等ではなく)ということを忘れないでほしいです。


さて、これを子どもとの関わりに例えてみます。
親は子どもに対して理想像を抱いています。こんな風に育ってくれたら嬉しい。こんなことをしてくれたらありがたい。
自分のこれまで生きてきた経験から、子どもの将来をイメージして思い描いていると思います。

もし、そのようになってほしいと願うのであれば、子どもが今望んでいることを叶えてあげるべきだということです。
それをせず一方的な思いで子どもに将来を押し付けてしまえば、子どもは反発することでしょう。

例えば歩いてほしいと願う親がいたとして、子どもは「抱っこして!」と求めているわけですね。抱っこ癖がつくから…と心配になるでしょうが、抱っこしたからと言って歩けなくなるわけではありませんし、ずっと抱っこで過ごしている大人はいませんから。
子どもは気持ちの整理したいだけなのです。
大人がストレス発散するために、友達に愚痴をこぼすのににていますね。

気持ちの整理をしたいだけですから、受け入れてもらえなければ、モヤモヤは取れません。余計にぶつかることになるでしょう。

子どもの気持ちを受け入れて抱っこするのは大変です。けれど、そうすることで、次第に抱っこは減っていきます。
抱っこじゃなくても気持ちを整理する方法が見つかってくるからです。
すると自然と歩くようになります。
親が子どもの気持ちを受け入れたからこそ、子どもは少しずつ変化していったのです。

まさに、歩いてほしいと願うために、子どもの望むことを与えたからこそ良い人間関係が構築されていったのです。

実際に子どもたちと関わっていると同様のことがたくさん見受けられました。
遊びを終えて帰る時や着替え、ご飯の時など、しっかりと子どもの気持ちを理解して「まだ遊びたかったよね」「お野菜苦手だもんね」などとまずは気持ちを受け入れ、理解することで少しずつ、時間を区切られるようになったり、苦手なものも食べてみようかと思ったりする変化が見られます。

今回は一例でしたが、子どもも対等に、そして人間としてどう関わるかを学ぶと、子どもの理解もより進むのではないでしょうか。

そこに子どもと上手く関わるヒントがたくさん隠れていると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?