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オンライン時代の新たな学びのスタイルになるか!? 関西大学のオンライン留学が興味深い。

実験や実習などオンラインになったことで、やりにくくなった学びがありますが、なかでもその最たるものは留学ではないでしょうか。日本はやや落ち着きありますが、世界的にはコロナの猛威はまだまだ続いています。大学が学生を海外に送り出すのも、海外の学生を受け入れるのも、当分の間は難しいでしょう。最近、見つけた関西大学の教育プログラムは、今の状況に非常にマッチしたものだったので、今回はこちらを取り上げていきます。

取り組みの名前は、「UMAP-COIL Joint Program」。なんとこれオンライン留学プログラムなんです。リリースによると、約7週間もの間、外国人講師による講義(5回)をはじめ、外国人学生と協働して、国際的問題やSDGsなどをテーマに、グループディスカッションやプレゼンテーションを行うとのこと。

海外の語学学校などでオンライン留学を実施しているところもありますが、そのほとんどは語学習得を目的にしたもの。日本の大学が主体となり、本来の留学をオンライン上でやろうとする試みは、まだまだめずらしいように思います。

オンラインであることによって、海外に行く感染リスクはなくなります。関大のものは世界36カ国・地域の大学とのネットワークを有するアジア太平洋機構(UMAP)と連携して行うので、さまざまな国の学生と学ぶことができそうです。おまけに、通常の留学のように、高額な渡航費・滞在費はかからない。海外に行くからこそ得られる体験や学びは確かにありますが、こっちはこっちで多くのメリットがあります。

新型コロナの影響を恐らく最も長期的に受けるのは、留学プログラムのように思います。学生が留学をめざしていても、準備期間と留学後にひかえる就職活動を考えると、4年間のうち実際に留学できるのは、2~3年生の限られた時期しかありません。この時期と今のコロナパンデミックが重なった学生は、諦めるしかないのかなと思っていたのですが、オンライン留学という取り組みが広がれば、(ある程度)解決ができそうです。とくに、近年、増えていた国際系学部は長期留学を必修化しているところが多く、これをモチベーションに進学した学生はやるせない思いをしていることでしょう。こういった学生のためにも、オンライン環境での留学というのは、ぜひ広まって欲しいものです。

あと、もうちょっと視点を変えると、社会人にとって、とても魅力的なプログラムになるように思います。留学の教育効果が高いのは周知の事実ですが、時間のない社会人が留学するのは夢のまた夢。でもオンラインであれば、時間的にも、費用的にも、実現可能なのではないでしょうか。「駅前留学」なんて言葉がありましたが、それと似た手軽さで「週末留学」なんてことができるかもしれません。いや、これいいな。ちょっと、ぼくもやりたいわ……。

日本だけでなく世界中で学びのオンライン化が急激に進んでいる今、オンライン留学が実現しやすい状況ができてきています。留学がコロナの影響を最も長くまで受ける教育プログラムなのであれば、今から着手しても十分に間に合うように思うのです。そして、できることならそこで培ったものを生かして、社会人向けのプログラムも展開して欲しい!と、個人的にすごく思うのであります。

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