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コロナ禍だからこそ生まれた取り組み。スタディケーション(?)は、やる気のある学生たちの受け皿になるか?

今年、オンライン授業が急激に発展したことで、場所を選ばずに学べるということを実感した学生は多いように思います。将来的には日本にいながら留学ができたり、遠方の大学が開講する授業をオンライン受講して単位取得ができたり、いろんな可能性が広がっていくのではないでしょうか。

今回、見つけた朝日新聞の記事も、見出しが「オンライン授業を逆手に福島で学ぶ」とあったので、オンライン授業で福島について学ぶのかな、と思って読んでみたら、ちょっと違うものでした。でも、この取り組み、可能性があってすごくよさそうなんです。

記事で取り上げられている取り組みは、オンライン授業で福島について学ぶのではなく、大学のオンライン授業を受けながら、福島に1ヶ月間ほど滞在して福島について学ぶというもの。少し前に政府が推進しはじめた、“ワーケーション”の学生版ともいえる取り組みです。

ワーケーションはやれるならやりたいけど、どう考えても自分には無理だし、無理な人は多いだろうなぁと感じていました。でも、このスタディケーション(?)とでも言ったらいいのか、この取り組みはワーケーションほどハードルも高くなく、魅力的な気がします。

まず学生にとってですが、これは朝日新聞の記事にも書いてあったように、オンライン授業が中心で、あまり大学に足を運べない学生たちのよい息抜きになるし、新たな知見を得られるきっかけにもなります。とくに今は海外旅行や留学が難しいので、国内を上手く活用して経験を積むというのはよいのではないでしょうか。もちろん、感染拡大には十分に気を付けて……、ですが。

地域にとってもメリットが大きいです。ワーケーションの場合、社会人はすでに就職しており、生活基盤も別のところにあるので、宿泊や観光にお金を落としはしても、それまでです。学生であれば、これらに加えて、ゆくゆくはその地域に就職してくれたり、住んでくれたりするかもしれない、そんな期待を抱くことができます。

今、海外旅行も留学も難しく、インターンシップも受け入れを渋る企業が多い状況です。やる気のある学生たちを受け止める先が大きく減っているわけです。昨年までであれば留学等の人気プログラムの間に割って入るには、かなりのエネルギーが必要でした。でも今年であれば、コロナ禍という環境にさえ合っていれば、割り込む余地は十分あるし、優秀な学生に振り向いてもらえる可能性も比較的高いように思います。

クラブ・サークル活動、留学、ボランティア、インターンシップ、それにアルバイト……。学生が大学時代に頑張るべきことの選択肢は、だいぶ前から固定化してしまっています。留学プログラムが充実しているとか、ボランティア活動のサポートがすごいとか、既存の選択肢を充実させるのもいいですが、コロナを機に、新しい選択肢を増やすという動きをしてもいいように思います。これを生みだして定着させられたら、社会的にけっこうなインパクトがありそうです。

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