図書館

図書館開放は第二のオープンキャパス!?可能性しかない大学の長期休暇の活用法を考える。

高校生に最も効果のある情報発信が何かというと、おそらくそれはオープンキャンパスでしょう。大学に実際に足を運んでもらい、雰囲気であったり施設や学生だったりを実際に見てもらう。これほど、大学を実感できる情報発信方法はありません。

オープンキャンパスの何がいいかというと、もちろんそれは大学に来てもらうことです。この生の体験が、受験生に強いインパクトを与えます。でも、考えようによっては、来てもらうことが大事なのであれば、それがオープンキャンパスでなくてもいいわけですよね。大学の「図書館開放」というのは、とても地味な取り組みではあるけれど、見ようによっては、第二のオープンキャンパスなのかなと感じます。

リンク先の記事では、図書館開放をしている首都圏の大学をピックアップして紹介しています。記事が掲載されたのが約1ヵ月前なので、そこから状況がだいぶ変わってきているため、開放していない大学も出ているかもしれません。まぁ、今年の事情はさておき、調べてみると他にもいろいろな大学でやっているようで、この取り組みをわりとオーソドックスなようです。

この取り組みの入試広報としてのよさは、冒頭に書いたように、高校生が訪れる、よいきっかけになること。しかも、図書館に来て勉強したいというのは、優秀な(少なくとも真面目な)高校生なわけです。そういうカテゴリに属する高校生たちを呼び込めるというのは魅力です。さらにいうと、図書館は大学の代表的な施設であるとともに、アカデミックな、いわば大学らしい施設です。そんな施設を直に使ってもらい、雰囲気や良さを感じてもらえるというのは、かなりのアピールになるのではないでしょうか。

また、入試広報とは別の観点でも、この取り組みはいいなと感じました。というのも、長期休暇中の大学は、学生が少なくてけっこう寂しいんですね。しかも、大学の長期休暇はとにかく長くて、合計すると120日前後になります。つまり、年間の3分の1が休みなわけです。広大な土地があり、施設が充実しているのに、これってすごくもったいないことです。

オープンキャンパスであったり、子供向けの理科学教室であったり、この長期休暇中に開催される受験生向けや地域向けのイベントというのはあります。でもやっぱりイベントというのは特別なもので、毎日できるものではありません。図書館開放は、大学側の負担がそこまで大きくなく、大学を有効活用できるという意味でもステキです。

とはいえ、今後は受験生=高校生という図式もくずれていくでしょう。そう考えると、大学の長期休暇に、社会人や主婦、定年退職者などを広く呼び込み、大学施設の有効活用してもらうという視点、取り組みも、もっと必要になっていくように思います。

それどころか、大学の主役である学生たちが年間3分の1も休みなのであれば、この間にまったく別のコンセプトで、別の大学を、キャンパス内に起ち上げるぐらいのことをしないと、今後の大学経営は成り立たないのかもしれません。それは地域に向けた大学かもしれないし、子供たちに向けた大学かもしれないし、海外の人たちに向けた大学かもしれません。春・夏にだけあらわれる、もう一つの大学って、何かわくわくしませんか? 図書館開放について書こうと思ったのに、最後、話が急にズレてしまいました…。でも、これ、すごく面白そうで、書いちゃいました。

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