学校法人立命館_RIMIX_公式サイト

SDGsも、就職も、本質を見据えた取り組みこそが、説得力がある。(立命館)

猫も杓子も、というと怒られそうですが、最近いろいろなところでSDGsに関わる取り組みを見かけるようになりました。大学もご多分に漏れずSDGs推進に力を入れており、イベントであったり、ウェブサイト等での情報発信であったり、さまざまな取り組みをしています。

こういった大学のSDGs関連の取り組みを見ていると、既存の取り組みや研究に17ゴールのラベリングをしたり、学生主催のイベントだったりで、本質的な部分から何かを変えようとしているのではなく、SDGsをしてますよ、とアピールすることに主眼が置かれているものも多い印象があります。でも、今回見つけた、立命館のサイトは、なかなかインパクトがありました。ちょっと大げさかもしれませんが、深いところから世の中を変えようとする気概のようなものが感じられました。

サイト名は「立命館・社会起業家支援プラットフォームRIMIX(Ritsumeikan Impact-Makers InterX(cross))」。RIMIXへの文字の充て方に、だいぶ無茶を感じるのですが、チャレンジングなサイトです。サイトに飛んで、趣旨を見てみると以下のようにありました。

RIMIXとは、Ritsumeikan Impact-Makers Inter X (Cross) Platformの略称。立命館学園で実施する社会課題解決に貢献する人材・マインド養成から起業支援までの取り組みをひとつのプラットフォームとして見える化し、学園内外の連携等によって拡充を図ることを目的とする「立命館・社会起業家支援プラットフォーム」です。そこではSDGs達成の担い手を育む立命館における実践的な教育プログラムをつなげ、社会起業家(Impact-Makers)に必要な資質・能力を向上により、ダイナミックな社会変化を実現していくことを目指しています。(参照:https://sdgsimpactlab.org/rimix/about

大学単体ではなく、学園として小学校から一貫して社会起業家を育成、支援を行うというところに本気度合いを感じます。とはいえ、これまでにも各教育機関単位では、起業家(ないし社会起業家)育成に通じる取り組みはあったようで、それを連携させる新たな枠組みをつくり、なおかつその情報を外部に発信していくことが、今回の取り組みのようです。

研究機関という意味では、SDGsの達成に関わるに研究を推進することが大事ですが、教育機関という意味では、社会・学生への啓蒙活動よりも、実際に社会をつくる(変えていく)人材の育成こそが本分のはずです。そう意味では、立命館の取り組みは、教育機関として正しいSDGsの推進方法なのかなと感じました。

また、SDGsに関わらずとも、大学の起業家育成は、今後さらに重要になっていくと思います。大学、とくに私立文系大学にとって、「就職・キャリア」というのは、ときに学部教育の内容よりも注目されます。この就職・キャリアの実績としてよく使われるのが、就職率であったり大企業で働く諸先輩方のインタビューです。でも一方で、大学のキャリア教育では、これからは大企業に就職したら安泰という時代ではない、自分で考えキャリア設計をしなさいと口を酸っぱくして学生たちに言っています。なんとなく、チグハグな感じがしませんか?

就職率の高さ等の数値も、キャリア教育で語られることも、おそらく真実です。でも、嘘ではないけど、誠実ではないのかもしれません。今後いっそう先ゆきが見えなくなる社会では、就職・キャリアの実績を見て反射的に安心してしまうようなマインド自体、あまり好ましくないと思うからです。それよりも、今回、立命館が打ち出したような、これからの社会を見すえたキャリア育成プログラムが「就職・キャリア」の売りになるべきだし、売りだと考える大学の方が信頼を置けるような気がします。

SDGsにしろ、就職・キャリアにしろ、いや、何にしろ、単純なアピールより本質部分を見すえたアプローチの方が目立つし説得力があります。こういうスタンスが定まった取り組みが、ぜひ増えていって欲しいものです。

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