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パンダが思ったよりも茶色いと感じた貴方に

私はパンダを見るたびに感じる。
思ったよりも茶色い。

初めてそう思ったのは幼稚園時代にさかのぼるのだが、大学生の時に和歌山で見たパンダも想像よりも遥かに茶色かった。

茶色いから可愛くないというわけではないが、なぜか興ざめしてしまった自分もいる。どうやら私は、パンダに純白を期待していたたらしい。

「そんな人だと思ってませんでした」

とあの人は私に言う。一緒に何時間も話し込んだり、どこかへ出かけたわけでもないのに。
私に関してどのように情報を収集していたのかは不明だが、どうやら私があの人の期待を裏切ったことは確からしい。

私は何を期待され、何を裏切ってしまったのか。未だわからない。

パンダが白いなんて思っているのは私の身勝手で一方的な期待でしかないのだ。パンダからすればいい迷惑だろう。黒でもなく白でもない茶色もまた、パンダを構成する要素の一つである。
パンダは何も悪くないのだ。勝手に期待して、勝手に興ざめしてるのは私なのだから。

誰かによって、いつの間にか私と言う存在に白と黒の線が引かれたとき、私はどう対処すればいいのだろう。

せめて「パンダですら茶色い」すなわち白黒つけられないと声高に叫んでみるしかないのだろうか。


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