何で。
放課後。
暗くなった道を歩く。
「怪我!?」
突然、誰かが話しかけてきた。
クラスメイトの男子だ。名前は……忘れた。
「違うよ」
私はいつものように、ぶっきら棒に答えた。
「じゃあ、何で眼帯なんか付けてるの!?」
いつも思うが、こいつ、声がでかい。
逆に、私が質問をすることにした。
「じゃあ……何で君は毎晩、鬼の仮面を被って、街を徘徊してるの? 出刃包丁なんて、物騒な物持ってさ」
そいつはまっすぐ私を見て、微笑んだ。
「僕のこと、好きなの!?」
「は? キモ」
何でそうなるんだ。
夜の街へ、作品のネタを集めに行く為の費用に出来ればと思います。