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組織ではなくネットです。

今回も自助会のハナシをしようと思います。
自助会ネタも連続3回目、怒涛の3連発…なんて言うと、何かスゴいことを言うような気がしますが、そんなに大したハナシじゃないのですよ。
何せ私はプロのライターではないので、ハナシを纏めるのが下手クソなのですよ。
そんなワケで、ハナシを区切って第三部…なのです。

今回のハナシを始める前に、サラッと前回までのおさらいを…。

先ず、自助会に参加するキッカケとして、その地域に「自助会があるよ!」ってことをどのように周知していくのか…。
そこに必要なのは、自助会が持つ魅力を増幅して伝える仕組みだろうと思う…というハナシをしました。

次に、自助会は何処でも同じことをしていてはダメだ…と言うこと。
それぞれの自助会主催者がそれぞれのカラーで自助会運営をすることで多くのニーズをカバーできるようになる、単体の自助会で考えるのではなく、自助会がネットワークになることが必要なのだろう…というハナシをしました。

そして今回は、そのネットワークを組織化「しない」…というハナシね。

何か変なハナシですよねぇ…。
ネットワークの構築を呼びかけておいて、組織は作るな…って、どう言うこと?

この答えは、自助会のスタイルや目的がバラバラであるほど良い…という理由から説明できます。
発達障害って「ひと言」で括っても、その中身はバラバラです。
私のようなASDもいればADHDの人もいる、LDの人もいるし、幾つかを併発している人もいる。
年齢や性別によって目の当たりにしている課題や問題も違うから、その全てをひとつの自助会でカバーすることは難しい…たから自助会は個性的で内容が変化に富んだものが必要なのだと「数が多いほど有利です。」で指摘したワケね。

さてさて、ところで「組織」ってモノを作る目的って、何でしょうねぇ?
アメリカの会社経営者にして経営学者であったチェスター・バーナード氏の示した「組織の三要素」では…

彼は組織をシステムとして定義し、「意識的に調整された2人またはそれ以上の人々の活動や諸力のシステム」とした。
これは公式組織の定義であるが、その成立のための条件として組織の3要素:共通目的(組織目的)・協働意志(貢献意欲)・コミュニケーションを示した。

wikipedia「チェスター・バーナード」より

…だと、組織を定義しています。
つまりね、組織には共通の目的を達成するために協働することが求められるワケね。
「バーナードの組織の三要素」は非常に古典的な組織論なのですが、コレを「自助会グループを組織化する」方向で考えた時、どんな問題が生じるでしょうかねぇ…。

ひとつ目の課題として、「自助会グループの共通目的(組織目的)」を何に設定するかですよね。
仮に基本理念として「発達障害者の生活の安定と改善を求める」を掲げるにして、「その目的を達成するための具体的な行動はどうする?」という一歩目の段階での選択が無限に存在すると気が付きますか?
組織化するとは、その無限にある選択肢に優先順位を付けて問題解決のために協働する…と言うことです。
ここにふたつ目の課題として、組織の秩序維持を目的とした権力構造が作られることになるワケです。

ところで、本来なら無限のニーズをカバーすべく、多くの自助会が個性的であって欲しいワケですから、それぞれの自助会に優劣が付くことはありません…とした時に、自助会グループに「組織」は馴染むのでしょうかねぇ。

だからね、自助会のグループは、自助会の「それぞれの個性」を(できる範囲で)明確に打ち出した上で、その個性を「ネットワーク一覧」として共有する取り組みをすることが大切なのだと思うのです。

別に全ての自助会が「みんな仲良し」にはならないでしょうし、意見の食い違いも当然あるでしょう。
でもね、「意見が違う」と言うことは、あなたと私のところは違うことをしている…と言うことを端的に表しているワケで、そのどちらを選ぶのかは、参加する方の決めることですから。

その「意見が違う」を認め、グループに含めることこそが「ダイバーシティ」なのですよ。

そしてその「ダイバーシティ」なネットワークは、その規模を大きくするほどにアンプリファイアとしての機能を強めて行くことになるのだと予想します。

そのアンプで増幅された「ビーコン」をキャッチするのは、決して発達障害の当事者やその家族/支援者だけとは限らないハズ…とした時に、自助会の社会資源としての未来がありそうだ…と、私は思うのです。

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