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Episode 376 北風の中の太陽です。

私の生きてきたザックリと50年の人生をどこで暮らしてきたか…という極めて地理的な話をすると、近畿圏が20%、南東北が20%、今住んでいる日本海側の政令指定都市が20%、それで残りの40%が関東の海ナシ県。
なんだかんだと言って関東に一番長く住んでいるワケで、しかも若い頃はほとんど関東…青春の思い出は関東の青い空が多かったりするのです。
なんでこんな話をするのかと言うと、未だに関東以外の冬場の天気に違和感があるからです。

関東平野の冬の気候といえば、雲ひとつない晴天と乾いた北風のふた言で事足りるくらいの単純さなワケでして、朝起きて空を見上げればその日の天気が分かるような感じだったと記憶しています。

さて、私の「北風と太陽」の話はその後も続きます。
それまで頑なに上着を押さえつけて寒さをしのいでいたASDである私は、北風の中でツルハシを振り、汗をかきながら私自身が「やり散らかして逃げた」残骸を撤去する決心をします
それは、いつもの "Reset" で上手くいかなくなってやっと気が付いた、"Continue" を認める…という作業でもありました。

追い込まれて自分で気が付いて、やっとツルハシを握る決心をするのです…でもそれは、私一人ではできない決心でした。
ツルハシを握る決心の背中を押したのは、紛れもなくパートナーだったのですから。

大好きなパートナーと付き合い始めたときから薄々は気が付いていた「上手くいかない理由」を、見て見ぬふりをして何とかやってきたのです…即ちそれが "Reset" 。
でも、愛するパートナーとの間には子どもも生まれて、守るべきものが増えたのです。
だから「愛する人たち」と私が安定して生活できる環境を用意しなければ…いつまでも私が「失敗」を認めないことで、愛している人たちを悲しませるわけにはいかないのです。

これ以上、仕事で失敗して収入を減らすワケにはいかない」…私がASDを認めるトリガーはそんなことだったのです。
そして、その決心をさせたのは私が家族と仲良く暮らしたいという思いだったワケです。
環境は変えられないから "Reset" は効かない…それ故に苦手であっても "Continue" を覚えるしか道はなかったのです。

廃墟の中でツルハシを振って失敗の片付けをする作業は、「失敗は成功のもと」という当たり前のことを覚える作業でした。
汗を拭い空を見上げれば、青空に太陽が燦々と輝くのです。
本当はいつもそこに太陽があったのでしょう…気が付かなかった。
北風に凍えて下を向き、上着を押さえていれば太陽なんか見えませんからね。

パートナーは私をいつも愛してくれていました。
それこそが私の太陽でした。
私は低気圧で、常に北風を吹かせる原因です
でも…どんなに北風が強くても、北風と太陽は同居できるのです。
私は自分で汗をかきイロイロと自分自身を振り返る努力を続けます。
そして空には光り輝く太陽があって、私とパートナーは出来る限りの努力で体温を上げるのです。

私の思う「北風と太陽」の話は、他力本願な話ではありません。
関東平野の冬の晴天を懐かしく思いながら、今できることをしようと思うのです。

旧ブログ アーカイブ 2019/10/30

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