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Episode 316 ピラミッドではないのです。

先日のWAIS-IIIの結果を受けて、改めて「ギフテッド」ということを考えます。
一般的にギフテッドはIQ130以上を指すとされているのですが、私のIQは極めて平凡な数値でして、これでギフテッドを語ろうとか…と、思わないでください。

私の「私自身の検査結果」で注目すべき点は、2回検査を受けて、それぞれのふたりの心理士さんが揃って「視覚からの情報整理」を得意分野として挙げたことです。
瞬間的に「今、何が、どうなっていて、この後どうすべきか」ということを理解して判断できる…おそらくここがポイントです。
見通しを立てて設計図を作り、効率よく効果的に作業を進行することに長けている
それに対して聞き取り能力が弱く、その上でマクロ展望は得意でも、細かな見間違いが多い「目が節穴」だということ。
インプットの情報に不安があるにもかかわらず、情報を判断してアウトプットする能力はかなり高いということ。

結論から言うとですね、会社から提示された課題案件などの問題解決には強烈な能力を発揮してしまうということです。
自分が理解できる速度でインプットされた正確な情報があれば、それを土台にして仮説を展開して設計図(提案)を書き、具体的に工程表を作ってコツコツと進捗管理を行うとか、楽勝なのです。
今までの私の仕事を振り返ってみて、結果が出た仕事って殆どこのタイプの仕事でした。

残念なのは、世の中の会社組織では特定の職種以外でこの能力を生かせないこと。
ふつうの会社組織の場合、成果を出した人が能力があると判断されて出世するワケで、この場合の出世と言うのは人を束ねる仕事を指す場合が多くて…。
新入社員で入ってから社内で昇進するって、「主任→係長→課長→次長→部長」…みたいな感じだと思うんですよね。
結局、出世するほどに「束ねる能力」を必要とされるわけですよ。
結果が出せる「優秀な人材」って、全ての分野がバランスよく優秀っていう変な「神話」が存在すると私は思っています。
アレができればコレができて当然みたいなイメージ、それを私は「見なし出来る」と呼んでいるワケですが、私には「ある」とみなされた、人を「束ねる能力」がなくてですね、当然…出世とは無縁で埋もれるわけです。

人を束ねるのに長けている人って、インプットに強い人なのだと思います。
相手の様子を見て声を掛けたり、指示の内容を変更したり…。
私はそのインプットがザルなので、目標設定されたゴールまで一本道しか引けません。
気遣うとか修正するとかが苦手なので、相手がある作業に向かないのです。

ギフテッドというと「特定の分野に秀でた特別な能力を発揮して活躍する」ような人だと感じると思います。
でも私のように、能力があっても社会の仕組みが邪魔をしてプラスの部分を活かし切れない「隠れギフテッド」は、きっと多数存在すると思います。
それは、この社会が人を束ねるピラミッドの形をしている場合が多いからなのでしょう。

発達障害者の能力と個性を生かせる社会は、きっとピラミッドの形をしていない。
検査結果を見て、そんなことを考えてしまうのです。

旧ブログ アーカイブ 2019/7/27

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