Episode 150 QC手法が得意です。
工場などの製造工程に関わる人は「QC手法」と言う言葉を聞いたことがある人が多いかと思います。
製造工程の問題点を具体的に把握して「カイゼン」するためのツールです。
実はこの王道の改善ツールを使いこなせる現場の叩き上げって少ないのです。
基本的に最初から工場の現場に配属される人って高卒ルーキーが多くて、工場の現場仕事で実践に繋がる視点を勉強する機会もなく実戦投入されることが多いのです。
普通科の高校なら当然、実業系の高校でも、機械や設備、それの仕組みやメンテナンスの勉強はしても、キチンと稼働している機械の内側にはりついた残り身を如何に掻きとって無駄なく製品にするか…なんて学校では教わらないのです。
就職して初めて営利企業の生産現場を目の当たりにするのです。
そこは毎日同じことを繰り返す単調作業を求めるのです。
当然です、安定した品質の安定した製品が生み出される製造現場がトラブル続きであるはずはないのです。
決められたとおりに作業をしていれば、基本的に問題のない製品を作ることは出来るのです。
そして、それは同時に落とし穴でもあるのです。
慣れてくると体が勝手に動くようになるので、考えなくても出来るようになってしまうのです。
日々の業務は重い原料をガンガン扱う力仕事でもあり、当然のことながら体力的にキツイ仕事です。
何かを改善しようと考えなくても、体だけで十分に仕事になってしまう…表面上はそれだけでキチンと生産ラインは稼働するのです。
では、私はどうだったのか?
前に指摘した通り、なんでその作業を行うのかの理由が分かって初めて理解できる「石頭」の持ち主で、それが分かって初めて自己流のルーティンを作り上げて作業するワケです。
なんでそれをする必要があるのかの「根拠」が必要…その根拠として一番揺るがない安定した指標が数字…ということです。
自分の作業を数値化する…周りからすればワケが分からないでしょうね。
目の前の作業を手際よくやるだけなら、数値化するような根拠は必要ないのですから。
数字で具体的に示す…とは、自分自身の作業の根拠を示しているということで、それ故に「この数字が出るからこうなります」と説明できるのです。
現場作業者の多くは、この部分の説明が上手くできないのです。
そういう意味でデータの積み上げから問題点を把握するQC手法は、私の行動パタンとマッチしていたワケです。
QC手法という工場生産現場カイゼンの正攻法を具体的に示せる人材は貴重。
ここで仕事上で何度目かの「ASD的な凸部分」の浮上が起こるのです。
旧ブログ アーカイブ 2019/2/11