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Episode 462 保守ではないと気付きません。

もう直に50歳になる私は、モロに「ガンダム」世代でして、アムロとシャアの話であるガンダムの第一作がテレビ放送された1979年は、小学3年生でした。
それは「アムロ×シャア」というライバルの構図が軸にありながら、その他にも複雑に張り巡らされた関係性の連鎖、そしてそれぞれがそれぞれの「正義」に悩みながら戦いに巻き込まれる「正義×悪」だったロボットアニメの常識を打ち破る強烈なイメージを私に与えた作品だったのです。
その後、多くのガンダム作品が世に送られる中で、2016年にテレビ放送された『機動戦士ガンダムUC』は、私の記憶に残る名作なのです。

その物語の中で語られる「ジオンが出来た理由」こそがマイノリティの権利の主張であって、革新の旗頭だった…というのが衝撃的。
でもその後、ザビ家の独裁によって「ファシズム」に変貌してしまい、その存在が揺らいでしまうワケです。

ASD×定型のカップルで意思疎通が上手くいかず、定型のあなたが精神的に病んでしまう現象があります。
いわゆる「カサンドラ症候群」という名前で呼ばれるものです。
「あんなに優しかったあなたが結婚した途端になぜ?」ということは、ASD×定型のカップルで…残念ながらよくある話でして、この話をしている私とパートナーの関係も「崩壊寸前」まで行ったことがあってですね。

前回の記事で、現状の社会に大きな問題を抱えていない定型のあなたはマジョリティの存在で、マジョリティは保守層を作る主体になると指摘しました。
その一方で本来はマイノリティであるASDの私は、先天的なマイノリティであるが故に自分自身をマイノリティであると認識できないともお話ししました。

それ故に私自身も保守的な考え方を持つと信じて疑わないわけです。

もちろん、私自身が「保守だよ」って明確に自覚しているワケではありません…ただ、定型の人たちと「違う感覚」を持ちながら、定型の人たちと同じ土俵にいると思っている、その差は些細なものだと感じている…ということ。
同じ保守の中で意見が食い違う程度の話だと思っているということです。

本当は「保守×革新」ほどに大きな感覚の差がありながら、未自覚なASDの私は強引に「保守×保守」の構図に持ち込もうとすることになります。
あなたは保守の考え方の中で意見の摺り合わせを試みるワケですが、どうしても上手くいかない…。
当然ですよね、この関係は本来なら「保守×革新」の関係のハズ。

優しかったあなたが結婚した途端におかしくなる…それは、「我こそ正義!」と言わんばかりの「ザビ家のジオン」と重なります。

ガンダムのファーストシリーズで、ジオンは地球連邦軍に和平を申し入れ戦争は終結します。
この「一年戦争」とよばれるガンダムの最初のシリーズで描かれる戦争の構図は、ASD×定型カップルの「カサンドラ前期」の構図と似ていると私は思っています。
ザビ家が権力を失い、ファシズムの看板を降ろすに至ったジオンは…それでも本来持つ革新の意志に気が付き、勢力としてあり続ける。
大きな犠牲を払って自覚したジオンは、それでも保守優勢の社会で生きていかなければなりません。

さて、自覚した私は…どうしようか。

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