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Episode 126 ロックオンしてしまうのです。

琵琶湖岸の町に移り住んだ私たち家族は、会社が借り上げたオンボロ社宅での生活を始めます。
そうは言っても、大阪の街中と違い、マンションではなく一軒家…標準的な新興住宅地の建売住宅って感じの家でした。

古いながらも家族4人で生活するには十分な広さ、一軒家であるから車庫になる程度の庭もあり、大阪時代では不要になって手放していたクルマを再度手に入れることになります。
最も、クルマ無しでは非常に厳しい地域…ちょっと買い物も「すぐそこ」にスーパーやコンビニは無くてですね、子どもを乗せられる仕様のママチャリはあったのですが、子ども2人連れて買い物…はかなり大変でして、長女が幼稚園に行っている間を狙っても、次女は連れて行かなければならないワケです。
そこに天気が関係する…これはかなり不便です。

中古のファミリーカーとは言え、大阪時代は諦めていたクルマが自宅にやってくるわけです。
必要に迫られての購入だけに家族の賛同も得られているわけで、私はもう嬉しくて嬉しくて。

何だか知らないですが、この車にハマるのです。
1997年式のマツダ デミオ…すでに5年落ちでしたが、久しぶりのマイカーに心躍るワケです。
休みの日は朝も早くからセッセとクルマを洗い、午前中いっぱいかけてクスミひとつなく磨き上げるような可愛がり様…。

もちろん、通勤にはクルマは使いません。
だって、買い物とかの生活の足として買ったクルマですから、幼稚園の送り迎えや買い物に使えないようではダメなのです。

私としてはですよ、大好きなパートナーや可愛い子どもたちにキチンと手入れされたクルマに乗って欲しかったわけです。
もともとプラモデル制作とかが大好きで、構造や造形には興味があったわけです。
放っておけば興味のあるモノにトコトン集中してしまうのは、ASDの基本特性で説明できる事柄でして、今回はクルマに「ロックオン」されてしまったワケです。
こうなると、ロックオン解除は至難の業です。

私の理論としては非常に簡単です。
「私の気に入ったものを、家族にも気に入ってもらいたい。」
違ういい方をすれば「私の基準を理解してもらいたい」です
その為には、あのクルマを「考えられる最高の状態」でパートナーに乗ってもらわなければなりません。

仕事絶好調で週5日は仕事に掛かりっきり
残りの2日はクルマ弄り。
パートナーはさびしい思いをしていたでしょうね…。

ASDの子どもが自分の興味のあることをひたすら話し続けることと、この話には共通部分があります。
ここに気が付くかどうか…。

こうして家族のために頑張っているつもりの空回りが、この時期にも発生してしまうのです。

今ならわかる、何かを「ロックオン」してないか?
手を止めて、それを感じることが必要以上の過集中回避に繋がると私は思うのです。

旧ブログ アーカイブ 2019/1/18

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