見出し画像

Episode 125 アリジゴクに落ちるのです。

「仕事が楽しい」って素晴らしいことです。
自分のやりたいことをやって、それがきちんと評価されて、そして給料になる。
もう、願ったり叶ったりです。

世の中で「仕事が楽しい」って思える人は、大方がこんな人なんだと思います。
どう考えたって「食うため」とか「養うため」とか「義務だから」とかだけでは「楽しい」につながっていかない、プラス方向の「やりがい」が必ず必要だと思うのです。

ただ、ASD脳の人が一度こんな「楽しい」になってしまうと、今度はそこから抜けられなくなることも多々あるのです…いわゆる過集中の話です。

この楽しさは結婚して直ぐのころ以来です
工場事務に移ったのが2002年のコトですから、丸6年ぶりに達成感あふれる仕事にありついた私は、仕事にのめり込んでいきます。

大阪時代で「家庭」に重心が掛かっていた軸足が「仕事」に振られ始めるのは、ごく自然な流れだったと思います。
こうなってくると、ASDの基本特性が顔を出すようになってきます。
ずっと仕事の事ばかり考えていれば、家庭が疎かになるのは当然の流れだったと思います。

落とされるのではなく、誤って落ちるのでもなく、自ら落ちる「アリジゴク」です。

ノンビリした琵琶湖岸の町で、幼稚園は2年保育が基本の地域。
長女は幼稚園の年長さん、ふたつ違いの次女は幼稚園に上がる前の年、乳児のころほど手が掛からなくなったとは言え、家事がパートナーに振られる時期がまたやってきてしまったのです。

発達障害がある、その特性が見えているようならば、早めに診断を受けた方が良いです。
結局、数年前と同じことをまた繰り返すのは、特性ゆえに仕方ないと思います。
そこには全く悪意はありません、ただ特定の方向にのめり込むことで疎かになる部分が必ず出てくるのです。
それがパートナーや家族であった場合、家族は「ぼっち感」を持つでしょう…それは、いわゆるカサンドラの症状のひとつだと思うのです。

そういう「過集中の特性があるよ」って、自ら認識することがすごく大事。
放っておくと必ず特性に引っ張られるから、そこを意識して行動することが大事。
特性をコントロールするって、結構それはキツイこと…だけど、コントロールしないで突き進むと、必ずどこかが大きく破壊される惨事が起こる、これは経験。
自分が壊れるか、家族が壊れるか…。

楽しいことは大事。
でも、それはASDにとって「アリジゴク」の落ちる可能性も秘めていることを忘れてはいけないと私は思うのです。

旧ブログ アーカイブ 2019/1/17

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?