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Episode 277 過去の失敗を飲み込むのです。

この春、長女が大学を卒業し就職しました。
大学進学時に東京に出た長女…覚悟はしていましたが、やはり帰って来ませんでした。

それでいいんです。
自分がやりたいことを学生のうちに見つけて就職したのですから。
それが生涯でやりたいことかどうかなんて分からないじゃないですか。
いまやっていることで、この先のあなたの未来の役に立たないことなんてひとつもない。
今の仕事に疲れて他の道に進む決心をしたとしても、今までの道のりが無駄になるなんて無いから。

lecca が「軌道修正」で歌っているじゃない、

星はまたたいて進んでいく けど私の道は曲がりくねって
全速力でシケインに頭からぶつかってクラッシュしたり
ままならないこと続いてく 自信持てた矢先しっぺ返し
でもはじき出されて運転席をからっぽのままにしてられない

思えばこの夢は 何も知らないあの頃に抱いた
今なら違った未来が見えるか すべてはドライバーの私が決めるの

…ってさ。

次女も専門学校の3年生で独り暮らし中。
子どもが巣立って行って、家族5人だった棲み処はパートナーと私に長男の3人になりました。
思い返せば、私と子どもたちの関係はあまり良くなくて、関係が改善されてきたのは子どもたちが自宅を離れてからのこと。
父親としての役目が果たせていたのかと言えば、それはどうか?

私自身も核家族の「サラリーマンとその妻」という両親のもとに生まれ、子ども二人で団地暮らしという高度成長期のテンプレ家族の下の子でさ。
身近で自分よりも小さな子を見て育ってこなかったからか、私よりも「発想が幼い」「体力がない」子の感覚が分からなくてね

自分自身がASDだと知らぬままパートナーと出会い、結婚と同時にパートナーの妊娠と出産…。
乳吞み児なんて見たことも触ったこともない新米パパは、失敗を糧に出来ないから毎回同じ失敗を繰り返してトラブル続出。

末っ子の長男が高校2年生になった今、実はもうひとり子どもが欲しいなんて思っているのね。
自分自身がASDを自覚して、失敗を失敗した経験として蓄積することを理解できた今、3人の子育てで得た失敗を糧にして、大変でも楽しく子どもと接することが出来る気がするのです。

「あなた、自分と私のトシ考えたことあるの?」
うん、分かっているよ。
子どもが小学生の内に私たちは還暦を迎えてしまう…それがイロイロな意味で現実的じゃないことくらいね。

長女に贈ったハズのあの歌が、そっくりそのまま私に返ってくる。
子育て真っ只中のころにこんな気持ちになれたらなぁ…。

クラッシュして、はじき出された運転席を空っぽにしていられませんから、またハンドルを握って走り出すんですよ。
上手くいかなかった「父親業」を認めて飲み込んで、ここから先。
それぞれの人生を歩き始めた子どもたちとの関係をどうしていくのか。

そんなことを考えます。

旧ブログ アーカイブ 2019/6/18

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