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Episode 502 経験するしかないのです。

Twitterには「エアリプ」という文化があってですね、誰かの発言(ツイート)に対して(@アカウント名で)返信するのではなく、その発言に関連する(インスパイアされた)返信に似たツイートを「普通につぶやく」…ようなことを指すのです。
誰かのツイートに触発されて閃く…ということはよくあるハナシでして、「そうそう、その話さぁ」って、思い出すようなことがあるワケですよ。
電車の中や街を歩いていて誰かが話していたことがチラリと聞こえて、「あ、それは私も考えた」って思うのと同じことかなぁ…と。
先日私がつぶやいたことも、実はそんなチラリと見た言葉で思い出したことでして…。

この時の「あなた」は特定の誰かを指しているのではなくて、「読み手」を指しています。
私はTwitterで範囲を限定するために「私」と「あなた」という一人称・二人称を使って話の大きさを狭めることをするのです…「エアリプ」の話をしてしまったのでね…念のために。

私がこの「知識と経験」の話をするのは「痛い経験」があるからでして…。
ASDの私は、子どもから大人になっていく生育過程で「コミュニケーションの不具合」を抱えたことは、前の記事でお話しした通りです
この「コミュニケーションの不具合」がもたらす一番端的な現象は「ひとりぼっち」になることが多い…ということでしょうかね…。
「あなたと私」という関係を上手く作れないから会話の量が減ってしまい、さらにコミュニケーションが取りにくくなって…を、繰り返すことで「ポツリ」と一人でいることが多くなる悪循環が起こってしまうのです。
そこには、普通「意思の疎通」と呼ばれる「意見交換と意思の摺り合わせ」があるのですが、私はこれが上手に出来ないワケですよ。

だから、わからないことがあった時に「なぁなぁ、コレなに?」とか「これ、どうしたらいいの?」って聞けずに、仕方がないから自分で調べることを選択する様になるのです。
私は「行き詰った時に本に頼る」ことが多かったのです。
これがまた…「ASDの自己完結癖」とドンピシャリのベストマッチでして、自分で調べられることは調べて知識として蓄えて、わかった気になっていたワケです。
そして、それが「落とし穴」になるのですよ。

調べて分かったことは「私の知識」になるワケですが、「あなたの知識」にはなりません…当然です。
ところが、自己完結してしまう思考回路は、あなたのことを思うほどに「あなたはこう考えるハズ」って思い始めてしまうのです。
それは…わからないことがあった時に「なぁなぁ、コレなに?」とか「これ、どうしたらいいの?」って聞けなかったから、「あなたが知っていることがある」とか「あなたも知らんことがある」という当たり前の自他の差を経験していないことが根にあるように思うのです。

その「具体的な経験談」は上に貼ったの過去記事を読んでいただくとして、ASDの私と定型のあなたとのコミュニケーションの難しさは、同じように定型の方にも表れるのだな…と思うのです。
定型のあなたがASDの私と上手くコミュニケーションが取れないから、どうしたらよいか本に頼ってしまうことも、ある…ということ。

先の私のツイートに対して、さくら(@AlanandSakura)さんが、このような引用RTをくださいました。

お互いの意思疎通のために「どうしたら良いか」を探す目的で本を読む…これが「お互いの意思疎通」の邪魔になる可能性は、大いにあると思います。
私には、自分の足りない経験の代替えに、誰かの経験や知識を頭に注いで穴を埋めようとしてきた苦い経験があります。

苦しくなった時に、必要以上に知識に頼ることはお勧めできません。
あなたと私と「知っている部分の共有をした上で何かで調べる」ことが大事なのだろうと思います。

決して知識に頼るな…と言っているのではありません。
ものには順序があって、知識をつけるよりも「現状の共有」が最優先なのだということ。
知らない、わからない…でも良いのです。
知らない、わからない…ということを共通で認識することが第一歩。
苦しくなるとこの順番が分からなくなる…。
そこを分かっていることが、ASD私と定型のあなたが上手くやっていく大きなポイントになるのだろうと、私は思うのです。

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