見出し画像

第43回イベントレポート『水を動かすための特別講座を開催しました』

2022年7月7日、小暑。

先週末に発生した台風の進路予想円の中心が、ちょうど今日のこの森にコンパスの針を刺したような直撃予報となり、最悪は中止か延期を覚悟したものの、その後は勢力を弱めながら進路を大きく南下させて熱帯低気圧に変わり、数日前に降った雨水が適度に沢に残るという最高のコンディションに恵まれて、無事に開催することが出来ました。

枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会、4年度目の初回イベントのスタートです。

これから一年間、月2回のペースでイベントを実施し、涸れた沢に水を蘇らせ、ホタルが棲める環境づくりを目指していきます。

朝のチェックインの様子

今回は初参加の方お二人を迎え、総勢16人。
午前中は水について講義形式で学び、午後から実習として沢の手入れに入ります。

森の中に、即席の教室がオープン!

初めての座学、野外授業

今まではいつも、動きながらのレクチャーだったので、腰を落ちつけて講義を聴くというスタイルは初の経験です。

講師に招聘したのは、長年リバーカヤックで水上を過ごして来た後藤めぐみさん、水の流れを読むスペシャリストです。

フォレストネーム♡めぐみん

「皆さんの、水に関わる悩みって何ですかー?」

そんな質問から、授業がスタートしました。
私は学生の頃を思い出し、ワクワク気分です。

「基本は〝走る〟か〝溜まる〟の2つなんです。
30年リバーカヤックで水を見てきたけど、まだまだ知らないこともいっぱい。逆に教えて欲しいです」

清流の水のように澄んだ声の、とっても分かりやすいトークに、ぐいぐい引き込まれてしまいます。

・キーワードは、穴・溝・段。

・鳥の眼でマクロに、虫の眼でミクロに、地形を読む。

・〝水の動きは、大きな動きに引っ張られる〟

・植物を見れば地下が分かる。たとえばドクダミは水脈上、エノコログサは水はけの良い所が好き

・などなど、、、、

学びは多すぎて、とても全部をここに載せきれません。
内容を詳しく知りたい方は、是非こちらをご覧ください↓

約2時間の授業がアッという間に終了。
そのままその場で、お昼にしました。

ランチタイム🎶

学生時代の昼休みを思い出します。

女学生らはキャピキャピ♡
こちらは職員室みたいな雰囲気⁈

沢での実践、野外実習

野外教室のすぐ下が実習場所です。

午前の授業を受けて、不思議と沢の見え方が変わっているのを感じました。

実習内容の説明を受けます。

まずは、水が流れている地形を見て、手を入れるのに効果的と自分が思う場所を探してカラーコーンを置く、、制限時間2分!

いきなりの抜き打ち小テストみたいで、皆さん初っ端からテンションMAXです。

「何故、ここに手を入れるのですか?」、先生のチェックが入ります。

皆んな、それぞれの想いと考えがカラーコーンを置いた場所に表れていて、〝個の多様性〟が素晴らしい。

「この木に、ここ掘ってくれー、って言われた気がしたんです」と説明するYクン

それぞれの場所で、先生のアドバイスを受けながら、実習を開始しました。

個別にレクチャーを受けてる様子

周りの人との連携も、大事にします。

実習の様子

周囲の地形も考慮しながら、

実習の様子2

その場にある、岩一つの意味も考え活かしながら、

実習の様子3

大勢いても、全員が没頭してる時って、静寂が辺りを包み込むんです。

実習の様子4

時折りの笑い声が、森じゅうに響き渡ります。

実習の様子5
実習の様子6

瞬く間に、時も流れました。

造作後の流れの様子

実習の最後に、全員の手入れ箇所を一つづつ皆んなで見て回りました。

まるで自分の作品の発表会みたいな楽しい雰囲気。

今後の変化が楽しみ。
雨が待ち遠しく感じました。

一日のふりかえり

作業を終えて一日を振り返り、今日の感想を分かち合いました。

参加された方々の声

♡ YUKIくん
「スゴい楽しかったです。狩猟している関係もあって〝森視点〟で山に入って手入れをすることが多いのですが、今日はずっと〝水視点〟だったので、とても良い勉強になりました。これを活かして今後も頑張りたいと思います」

♡ マキさん
「水のことを考えるきっかけをいっぱい貰えました。私はやり方にこだわるようになりがちなんだなというのも、やってる時にわかって、自分のこともまた見つめられるきっかけを頂きました。ありがとうございました」

♡ ゆかりん
「とても楽しかったです。ちょっとスコップを入れただけでも水の流れの音が変わったりとか、みんなで見て回った時も、風がより気持ち良さそうかなと感じて、植物たちも何だか気持ち良さそうかなと感じたりしました。水の音も、高くなってみたり低くなってみたり、私たちが手を加えて、あとは森の自然治癒力が調整してくれてるのかなと感じました。私も鍼灸の仕事をしているので、治療とリンクするところがあって面白かったです。今後が楽しみです」

♡ みどりちゃん
「あらためて、地球の中の水が自然の中でどういう動きをしているのかなと想像しながら午後は沢で掘ったりしたんですけど、水の音とか、風の音とか、ホントに肌で感じて、すごい心地良い色んなエネルギーを貰えて、とても良い時間を過ごせました」

♡ みよちゃん
「今日初めて参加して、枯れ沢というので干乾びた感じを想像してたんですけど、実際に沢に入ったら、水が無い所なのに渓流にいるような清涼さみたいなのを感じて、風も流れて、水の気配もして、それが本当にとっても気持ち良くって、、、今日の作業は、ただただ楽しい水遊びでした」

♡ ちーちゃん
「今回も楽しませていただきました。めぐみんの講座を受けて、水が、より自分に近くなった気がしました。実習の最後で、皆さんの〝こういう風に思って、こういう風にしたんだ〟というのを聞けたのも良かったです。この後どういう風になっていくのかも併せてみていきたいと思います」

♡ ちかちゃん
「午前中の講義が午後の実践でそのまま活かせて体験できたのが良かったです。外側が深いんだよとか、そこは障害物の後で深くなってるんだよとか、見て分かったので大変勉強になりました。あと、自分がやったちょっとしたことに、水が反応してくれて、水の量が増えたり、流れる音が大きくなったり、変化を知ることができてうれしかったです。前々回やった所の経過も、見ていくと成長している子どもを見ているような、ずっと継続して見ていきたい気持ちになりました」

♡ のぞみん
「初めて参加したけど楽しかったです。やっぱり皆んなで作業するっていうのが楽しいんだなと思いました。自宅の裏に、山というか森みたいなものがあるんですけれども、自分たちが楽しくて、楽しむためにそこで何かをすることと、その場所にとってはどんな風にそこを使ったらいいのか分からないという思いがあって今日は参加させて貰ったんですが、まだ答えは出てないんですけれども、たくさんの人の視点とか感じ方とか、色んな人の考えてることに触れることができて良かったです。また機会があったら参加したいと思いました」

♡ みどりん
「沢の手入れをすることで、水の音が変わる。水が流れることで、空気が動く、風が通る。風を通したら、水が流れる。心地よい音だったり、心地よい風がひとつの、目の前の手入れとしては心地よく感じられるということが『それでいいんだよ』というサインなのかなと感じた。今日も皆んなで、結構な大人数でやって、それぞれの個性が出てておもしろくて、それが繋がっているんで、それが一つとして機能する、みたいな面白さというか、次回来たらどうなってるのかな?というのも興味深い。めぐみんの話を聴いて、大っきな視点で見たときに、自然が何を求めるのか、とか、考えれば地球規模で全部が水で繋がっているわけで、私も多摩川のそばに住んでいるので、此処で水を浸み込ませても多摩川は護岸とかで全部コンクリートになってるから、これで繋がってるのかな?、出口はどーするんだァ?、とか、すぐには何もできないみたいな感じだったんですけど、そういう視点を持ちつつ、今できることをする。いつもここでリフレッシュしてるばっかだったけど、たまにはもうちょっと大きな視点で、何ができるのかを考えていきたいなーと思いました」

♡ あっちゃん
「午前中めぐみんの話を聴いて、水の道をつけるというのが、想像するのがむずかしい所もあったんだけど、色んな人のやり方を見たり聞いたりして楽しかったです。四年前にこの森に出会って沢に行った時は本当に暗くて、なんか怖ーい気持ちになったんですが、そこがどんどんどんどん変わって、あの沢で笑い声が響くと幸せな気持ちになって、今日はそういうシーンがいっぱいあって、楽しい時間でした」

♡ まあちゃん
「今日の教訓を生かし、白丸と御岳に行こうと思います。楽しくパックラフトを漕ぎに行きます。で、川を流れて更に学びを深めたいと思います。違う視点で違うことやった方が、同じ視点で同じことやるやるより学びが深まるのではと思っています。しろまるカフェにも是非行ってみたいと思っています」

♡ てっちゃん
「午前中めぐみんに色んなことを学ばせてもらって、ボクの感覚とは違う感覚で、ボク自身も新しいこととか知りたかったこともあったので、すごく良い話でありがとうございました。午後から、それぞれの人が、それぞれの思いで、色んな人の意見を聞けたのがいい勉強になりました。みんなで楽しんでいるのを沢とか森も喜んでいるような気がして、それも新しい発見でした。自分がいかに楽しめるかを一番にやっていくと、たぶん色んなものが輝く世界になる。その変化は沢が一番、目に見えて分かりやすい。その経過を皆んなで笑って楽しみながら話せたらいいなと思います」

♡ りえちゃん
「私も森の目線で山に行くことが多かったんですけど、ここの会に来て、沢のことを少しづつ知って、ただそれがパズルのピースを知ってるみたいであんまり繋がっていなかったんです。それが今日、水の話ということで纏めて聞けて良かったです。自分が自然に手を加える時に、人間が手を加えて良い方に作用するのか、私の思いでやってるのが良いのか悪いのか、自分で正解が分からないと感じたけど、長年カヌーをやってるめぐみんから〝川に倣え〟って教わって、こういうとこがこうなってるとか具体的に聞けたのが良かった。今までは、自然に習うことをしてればいいかなというのが自分の中にあって、自然のかたちはこうだよ、と聞けたのが勉強になって、これから役に立ちそうだと思いました」

♡ ずーやん
「なまじやっていると、〝何も無し〟から聴くのが非常に難しいなという部分を自分について感じた。時間をかけて今日の時間を咀嚼したい」

 めぐみん(総評を兼ねて)
「すごく、嬉しかったです。川に30年ちょっと浮かんでいて、私の中では色んな、生き方も含めて『川だったら、どうなんだろう?』みたいな感じでいつも考えるクセがついているので、その一端でも、皆さんが、かたちとかそういうことだけじゃなく、取り入れられるといいなと思います。今日はどうもありがとうございました!」

主催者ふりかえり

「めっちゃ勉強になった。教えの意味が深い。〝ぶつかって乗り越えるのが大事〟とか、〝別れてまた出会い、そして深まる〟とか、水の流れに、人生の時の流れをも教わった気がします。
川の流れのように〟いつまでも青いせせらぎを聞きながら生きていきたい。
これからも、各界のスペシャリストを講師に招聘して、学びを深め、視野を広げられる企画を実施していきたいと思いました」

本日の集合写真。

参加していただいた皆さま、本当に一日お楽しみ様でした。
ホタルさん、そして活動に興味を持たれた方は、是非一度、森に来てくださいネ!!

今後の活動予定

今年7月から来年6月までは、ホタルの会の新年度になります。
年度内で最初に参加する際に、年会費(または単日参加日)をお納め下さいますよう、お願い致します。

◎ 現時点で決まっている今後の予定は、

7/30(土):沢流域の広葉樹林探検調査(クワガタいるといいなァー!)
8/11(木、山の日)
8/26(金)
9/13(火)
9/24(土)

です。
8月以降の予定は決まり次第お伝えしますが、ご希望する日時・曜日等ございましたら、どうぞ気軽にご連絡ください。
一人でも多くの方のご参加を心よりお待ちしております。

協力感謝

『枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会』は、任意団体です。

公益社団法人 国土緑化推進機構の支援を受け、緑の募金事業として活動して参ります。

さらに、2021年4月からは一般財団法人セブンーイレブン記念財団様の〝環境市民活動助成〟の助成を受け、活動を推進していくことになりました。

ありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?