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第42回イベントレポート『豪雨で蛇落(蛇崩れ)した谷に、新しい造作方法を試してみた』

2022年6月28日、関東は梅雨明けの初日。
ついに今年も、夏になりました!

ホタルの会イベント、令和三年度の最終回です。
初参加の方お一人を迎えて、今まであまり入らなかった沢に、実験的に新たな造作方法で手を入れました。

朝早く、先ずは掃き掃除で場と心を清める会員まあちゃん

掃除って、奥が深い。

朝のチェックインの様子

輪になってひとりづつ、自己紹介と今日の抱負などを話し始めた途端、何処かでセミが鳴き始めました。
今年初めて聴くセミの声に、夏の到来を実感します。

新しい造作の試み

午前中の作業場所に到着。
零ノ沢、作業前

沢を登って最初の支流ですが、令和元年東日本台風の際に、斜面が長く抉られて、一夜にして出現した谷です。
蛇落とか蛇崩れと呼ぶ現象ですが、詳しいメカニズムについては是非こちらの本の89ページをご覧ください

大蛇が滑り降りる姿を想像して、、、

周辺の地形を見ると、この谷は水があっても良さそうな感じなのですが、雨の時以外は不思議なくらい全く水がありません。
今までは年に一度ほど、谷の底に積もった落枝などを取り除く程度で、自然の営みに任せておりましたが、それでも約3年で10〜15cmぐらい深くなって来ました。
場所によっては傾斜が急な上、粘土の層が剥き出しになっている所も多く、降雨の時でも水が走り易いのかも知れません。

直角断面の切り方を説明中

今回は、新しい実験的な試みとして、谷の底の随所に直角の断面を切り、炭を入れたり、杭を打ったり、枝を絡ませて置いてみたりを皆んなで手分けして造作することにしました。
〝これが正解〟というものはありません。
基本的なことと目的だけ説明し、造作箇所の地形を観察して、自然と対話しながら、それぞれの感覚を大切にするようお願いして作業を開始しました。

めいめい好きな場所で、思いのままに。

※ 熱中症対策のため、希望者はヘルメットを外し、周囲に注意し声を掛け合いながら、安全最優先で作業をしております。

初参加の八(ハチ)さん、大活躍中!

粘土の層が手強い。

今後の雨の力で、どんな風に変わってゆくのか、、(不謹慎かもしれませんが)大雨・豪雨・台風が来るのが楽しみになって来てしまいます。

お嬢様方は、可愛らしい杭で!♡

細い杭や、貫通ドライバー&小枝刺し、など、色々なやり方も自分の感覚に従って試みました。

支流の入り口部分は特に急な斜面なのですが、上級者まあちゃんが果敢に挑んでおります。

「剣スコップの柄が曲がるんじゃないかと思った」と後から聞きました。

昼までかかって約50m程でしょうか、丁寧に手入れを施された、美しい谷の景色が現れました。

アフター

まだまだ上の方は手つかずですが、午前中はここまでにして、お昼にしました。

上からのアフター

ランチタイム🎶

木陰が嬉しい季節、癒しのひとときです。

沢の入り口で何かを発見!

ミヤマカワトンボのようです。
枯れた沢が復活する兆しでしょうか。

沢の際、地形が安定している場所では、粘土質の表面も苔むして、草も生えていました。

午後からは沢の上流へ

前回、溝掘りと点穴を造作した所


上流へ向かう途中、前回まあちゃんが実験的に造作した箇所がありました。

近景

ドライバーを刺した穴に小枝を詰めただけなのですが、先日の雨の時に水が導かれ、少し穴が深く広がっています。
ホンの小さな造作なのに、こんなに大きな変化が数日で起こっていることに驚きました。

ビフォー

午後の作業場所、三ノ沢の入り口に到着です。
ここから先は今まで殆ど人が入っていなかったため、スギの落枝が積もっていて、雨後の水が点々と溜まっていました。

沢を覆っていた枝葉を片付け、流れを堰き止めていた石を幾つかどかすと、すぐに水が動き始めました。

自然の造形って、美しい!

水の流れが繋がり始めると、水量も増しはじめます。

童心に帰れる、楽しい手入れ。
楽しむほどに、作業も進むんです。

アフター

美しい景色は、奏でる水の音も美しいのです。

一日のふりかえり

作業を終えて一日を振り返り、今日の感想を分かち合いました。

参加された方々の声

♡ みどりん
「今日は午前中も上流の方で風が通ってた。午後、風が止まった、と思ったら水も止まってたり、見事にリンクしてて、水が良く流れる所は風も良く流れて、、〝風と水〟は面白い。今日は森の何処もが、キラキラしてた」

♡ 南水ちゃん
「今日は木こりのてっちゃんと会えて良かったです。楽しい生き方を模索している色々な方々と、ホタルがいそうなくらい水が流れている沢が、素敵でした。私はボルネオでオランウータンを守る活動をしているのですが、この会はホタルを連れてくるのではなく、生きられる環境をつくっているところが良い。まずは自分の身の回りの森に入ることが大切だから。素敵な会だと思いました」

♡ 八さん
「実家の森林の造作のために、ヒントを探しに参加した。昨夜はワクワクして眠れなかったので、睡眠不足で途中きもち悪くなった。でも午後からは夢中になって、蚊に刺されてるのも気づかないくらい作業したりして、、良かったです」

♡ 参ちゃん
「今日は梅雨明け初日の森、夏の森に入れて、最初は汗がもの凄く出たけど作業してるうちに忘れてしまって、汗だくになってやってました。午後は沢の手入れをやってみましたが、わからなかったこともあるけど段々おもしろくなって来て、水の音が聞こえてきて嬉しくて夢中になって楽しみました」

♡ ちーちゃん
「今日はビフォー&アフターをハッキリと確認が出来て、午前中も作業後に見上げたらホントに美しくて、ずっと見ていたいナ、と思いました。午後、水の流れる音が聞こえてきて、そして前回の流れとつながったのが嬉しかったです。次回も楽しみ!」

♡ タッキー
「午前中の所はすごい粘土質で、ドライバーが抜けなくなったりして、粘土ってスゴイな、地面は息ができなくて苦しいのかナ?、なんて感じました。午後の作業では景色がみるみるうちに変わっていって、その場でその変化を楽しむことができました」

♡ てっちゃん
「皆んなが個々に森と向き合って、変化を感じて、楽しんでいるのを嬉しく感じた。今日は結果も目に見えて感じられた。汗だくになりながら一生懸命やった心が嬉しかった。ちょっとしたシンプルなことが、とっても楽しめる。それがすごいなと改めて思った」

♡ まあちゃん
「何が楽しいかと言われると、〝言われたことじゃないことを考えてやる〟のが楽しい。自分は沢を下から上までつなげるとか〝大雑把〟が得意。今日は苔むした岩を、ものすごく丁寧に葉っぱを取り除き、京都の庭かと惚れ惚れし、『オレは庭園家だぁー!!』という新しい自己イメージを持った。」

主催者ふりかえり

「一年の締めくくりに、皆んなで力を合わせて新たな造作にチャレンジ出来たことが、今日はとても嬉しかったです。いつも、〝地道にコツコツと継続〟をモットーにして来ましたが、やはり新しいことをやる時のワクワクと、ちょっとの不安すらも楽しいということを忘れていた気がしました。
手を入れて来たエリアが気持ち良い空間へと変化をしていく様を、驚きとともに見ています。
そして何より、この一年間、事故なく怪我なく恙なく、活動を継続出来たことに、皆さまと、森への感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました」

令和三年度は、7397円を緑の募金にご協力いただきました。
誠にありがとうございました。

参加していただいた皆さま、本当に一日お楽しみ様でした。
ホタルさん、そして活動に興味を持たれた方は、是非一度、森に来てくださいネ!!

今後の活動予定

今年7月から来年6月までは、ホタルの会の新年度になります。
年度内で最初に参加する際に、年会費(または単日参加日)をお納め下さいますよう、お願い致します。

◎ 現時点で決まっている今後の予定は、

7/7 (木):水を動かすための特別講座(講師に後藤めぐみさんを招聘)
7/30(土):沢流域の広葉樹林探検調査(クワガタいるといいなァー!)

です。
8月以降の予定は決まり次第お伝えしますが、ご希望する日時・曜日等ございましたら、どうぞ気軽にご連絡ください。
一人でも多くの方のご参加を心よりお待ちしております。

協力感謝

『枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会』は、任意団体です。

公益社団法人 国土緑化推進機構の支援を受け、緑の募金事業として活動して参ります。

さらに、2021年4月からは一般財団法人セブンーイレブン記念財団様の〝環境市民活動助成〟の助成を受け、活動を推進していくことになりました。

ありがとうございます。

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