![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/52669359/rectangle_large_type_2_2df416958fbb128c275b385c1bd1860c.jpeg?width=1200)
Photo by
ima_doco
君に教えてもらったこと
もしもこの世界に
たった一人の足音しか聞こえないなら
私は大声で歌うだろう
耳を傾ける者は一人もいないけれど
もしもこの世界に
何十億の孤独が見えるなら
私は瞳を閉ざすだろう
こちらを見る目は一つもないけれど
肌寒い朝の窓辺で
コーヒーを飲んだあとの
白い吐息を眺めながら
昨日の夢をもう忘れている
私は歌っていたか
目を瞑っていたか
自分が一番
穏やかであれるはずの
あの懐かしい味を
思い出せず
いつしか固く握りこんでいた
いっそ捨ててしまおうか
ぼんやりかんがえていた頃に
君は突然現れ
頑なになっていた指先を
そっとほどいてくれた
あくまで優しく。
ここでは、
一人も大勢も息苦しい
薄すぎても濃すぎてもダメなのだ
そんな繊細な世界だからこそ
君のような優しさを
ほんのひと粒でも落としてやれば
きっと思い出せるだろう
穏やかであれる
自分だけの味と
一つの深呼吸と。
大事なお金は自分のために使ってあげてください。私はいりません。