冬でもタンクトップと半ズボンだった同級生

最近見なくなったな、とふと思ったことがある。
さすがに昨年からのコロナ禍では、親御さんもそんなことはさせないと思うのだけど。

今の住まいに越してきて約15年。
私は一度も見ていない。

冬でもタンクトップに半ズボンで通学する男の子だ。

以前、友人と話していて、
「昔小学校にこんな子がいてね...」
って話になったとき、
「あっ！うちの小学校にもいたよ」
という風に会話の話題になったのだ。

☆

小学生の頃、ユウト(仮名)くんという同級生がいた。

ユウトくんは入学時から、タンクトップの半ズボンがトレードマーク。

さすがに秋の気配が来たときには
セーターやトレーナーとか着るだろうと思っていた。

ところがその後もタンクトップと半ズボンは変わらない。

気づけば冬に入り、春休みになるまで
ずっと同じ姿だった。

「ユウト、お前すげーな！」

学年の男子はユウトくんと話す度にそう言っていた。

女子では、すごいね、って言う子ももちろんいたけれど、
ちょっとお姉さん気取りの女子は

「ユウトは、子どもよね。
注目集めたいだけなのよ」

「そうよね、長続きするはずないわ」

なんて言っていた記憶がある。

☆

ところがユウトくんは、５年の春休みまで
ずっとタンクトップと半ズボンを貫いた。

終業式などが終わって、帰り支度をしてから友達と廊下に出る。

すると帰ろうとする ユウトくんとたまたま遭遇した。

「おっ」
「おう」

そんな感じで挨拶代わりに言葉を交わした。

友達と、ユウトくんと、後から私達のところにきた 幼なじみのジュン と四人で一緒に帰る。

「ねぇ」

誰からだったか、ユウトくんに尋ねようとする。

「ユウト、来年もこの格好？」

なぜだか皆、顔を見合わせて笑いだした。

ユウトくんはニコニコしながらこう言った。

「４月からは、もう、この格好は卒業するよ」

「え、なんで？」

「ジュンと、ほしまると同じで、受験考えてるから、さ。
万が一、風邪こじらせて、とかあったらまずいし」

ユウトくんが受験する予定ということも、タンクトップと半ズボンを卒業することも
ちょっとびっくりだった。

なんとなく、ユウトくんはこのまま トレードマークを貫くんじゃないかと思っていたのだ。

でも、私たちにそう話した ユウトくんは
なんか清々しかった。

「俺、習い事とか
なんにも長続きしなかったからさ。
チャレンジしてたんだよ」

そっか。でもなんかすごいなぁ。
私なんて 何も長続きしてないのに。

そんな風に思いながら 、少し前を歩く三人を見つめていた。

☆

私は振り返ってみても、なかなか長続きしたこと、というのがない。

noteにしても何度も連続チャレンジに挑んでは、失敗して。

今やっと、もうすぐ90日。

これから先は毎日なんて書けないと思うけど、
それでも、「ほぼ毎日」を目標に、
マイペースに、そして、継続して
来年秋に二周年を迎えられると良いなと思っている。

読んでくださり、ありがとうございます。

今日も寒いので暖かくしてお休みくださいね。

それではまた明日...(^-^)/