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不慣れながらも 少しずつ書いていく予定の 小説(主に短編)のために作りました。
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2022年6月の記事一覧

大切な鏡 :夏ピリカ応募

大切な鏡 :夏ピリカ応募

「その鏡、すごい年季入ってるね。
それほど大切なものなの?」

会社内の化粧室でメイクを直していると、同期が興味津々で尋ねる。

「まぁ、そんなとこかな」

恵理子は、一言だけ答えると鏡を大切そうにポーチにしまった。

この鏡については秘密。

この同期に限らず、他の誰であっても話すつもりはない。

あの夏の夜の、恵理子の大切な思い出だからだ。



中学2年の夏だった。

恵理子は友人たち大勢

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