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【イベントレポ】北海道スペースポートトークイベント!

2021年10月4日に行われた北海道スペースポート(HOSPO)のSpecialトークイベント&新プロジェクト発表会。登壇者はインターステラテクノロジズ株式会社ファウンダー堀江貴文氏、株式会社CAMPFIRE代表取締役社長CEO 家入一真氏、弊社CEO小田切義憲、弊社COO大出大輔。4名のキーマンによる熱いスペーストークが繰り広げられました。今回はイベントの様子と新プロジェクトについてのレポートをお届けします!

【第一部】北海道スペースポートトークイベント

イベント冒頭、弊社CEO小田切が北海道スペースポートの事業概要を説明。
「北海道に宇宙版シリコンバレーを作る」というビジョンを語りました。

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小田切:
宇宙は夢やロマンのイメージが強いですが、世界的には成長産業。宇宙は次のゴールドラッシュと言われています。リモートセンシングをはじめとしたデータ利用が活性化されていき、人工衛星の打ち上げ需要は伸びています。今後ますますロケットを打ち上げて行く必要があり、それにともないロケット射場も不足しています。今後の計画は、より大きくたくさんの人工衛星用ロケットを打ち上げるため、新たな射場としてLaunch Complex-1(2023年運用開始予定)並びにLaunch Complex-2(2025年運用開始予定)の完成を目指しています。滑走路の延伸や、3000m滑走路の計画もあります。

配布用_20211004_CAMPFIRE様とのトークイベント・記者会見  (1)

アジアやヨーロッパなど自国で射場を持てない国もあります。HOSPOは国内はもちろん、海外のロケットや宇宙船の事業者も積極的に誘致する、世界に開かれた宇宙港です。
また、世界中でもスペースポートの計画があるなか、HOSPOはアジアのハブ宇宙港を目指しています。

スペースポートは、宇宙旅行だけではなく地球上の二地点間輸送といった移動のハブにもなりうる場所。例えば、ニューヨークとアジア圏を40分という速さで結ぶ移動手段としても使われます。海外では既に「この地点とこの地点を結ぼう」という議論が起こっています。日本としても初期の段階からアピールをしていき、海外の各都市に選ばれるアジアのハブ宇宙港のポジションを確立したいです。

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次々とスペースポートの設備を拡張していくにあたり、整備に必要な資金をふるさと納税を始めとする寄付や地方創生交付金を活用して調達します。

約束の地、大樹町。『宇宙へのゲートウェイができた』

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堀江氏はロケットを飛ばす際、打ち上げ場所に悩んでいたとき、当時ロケットエンジンの実験で訪れていた北海道 赤平市で「大樹町」の存在を教えてもらったそうです。35年以上前から、宇宙のまちというコンセプトをぶらさず、JAXAをはじめとした航空宇宙事業者や大学などを誘致してきた「大樹町」と出会えてよかったと当時のことを思い出しながら話されました。

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『大樹町はSNSの時代になってよかった』

堀江氏:
今と違って、たった10年近く前なんですけど(大樹町を)SNSで探すことができなかったんですよね。SNSは一応あったけど、みんな使ってなかったから。大樹町は人づてでやっと見つけた町みたいな。鹿児島県の内之浦町とか、全国各地いろんなところを見に行って、千葉県の遊園地跡地でやろうとしたりとか。色々探したなかでやっと目的の地、約束の地が見つかったという感じなんですよね。

ロケットの打ち上げ基地の場所って、太平洋側だったらどこでもいいと思うかもしれないんですけど、自治体の協力が得られて人口密度があまり高くなく、航空路だったり航路が本州のようにそこまで混み合ってない場所はそんなになくて。(大樹町と出会って)宇宙へのゲートウェイができたなという感じはしますね。

続いて司会を務める大出が、CAMPFIRE株式会社代表取締役社長CEO 家入氏に“宇宙との関わり”を尋ねると…。

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『次の世代、次の次の世代は宇宙が当たり前になる』

家入氏:
僕の宇宙との関わりは、堀江さんが全てではあるんですよ。初めて大樹町に行った時に、小学生が学べるスペースが作られていて、堀江さんにその理由を聞いたら「俺の時代にどこまで行けるかは正直分からない。ただ俺の次の世代、次の次の世代には宇宙は当たり前になっている。その時代を作る人たちに興味を持ってもらわないと困るし、そのくらいの長いスパンで考えている。」と答えられて。その話が好きで、すごく感動したんです。この話をすると堀江さんは照れ隠しなのか、「俺はそんなこと言ってない」というんですけど。あの時から本気度を感じましたね。

お話の中で、“ MOMO初号機”打ち上げの様子を記録した動画『MOMOロケット打ち上げ-今度こそ宇宙へ-CAMPFIRE』にも触れられ、感動的なので今でも定期的に見ているとおっしゃっていた家入氏。初号機の打ち上げは、2017年7月30日16時32分に離床成功。宇宙への到達には及びませんでしたが、大きな一歩を踏み出しました。そして、4年の月日が経った今年の2021年7月。設計がメジャーアップデートされた新型MOMOの機体は、7月3日にねじのロケット(MOMO7号機)が、同月31日にTENGAロケット(MOMO6号機)が打ち上げられ、2機連続の宇宙到達を果たしました。

【地方創生×宇宙事業】で日本から新たなビジネスモデルを。

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そしてテーマは変わり、「日本は宇宙産業でトップになれるのか。スペースポートの役割とは?」という話題に。

堀江氏:
日本は宇宙産業の優位性があるんですよ。ロケットを作れる国は少なく、射場としても世界で一番打ち上げに適しているのは、間違いなく北海道。東と南が両方海でひらけていて、他の島などもなく、ロケット打ち上げには世界的に見ても最適な場所です。しかもISTの工場から10分で射場に着きます。そんな場所は世界には存在しません。晴天率の高さや空港、国際港が近いなどのアクセスや輸送の良さもあります。北海道は世界に誇る自然や食、体験アクティビティなども魅力。日本における北海道スペースポートの優位性をもっとアピールしていく必要があると思います。

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『大樹には、宇宙という圧倒的ビジョンがある』

家入氏:
日本は課題先進国で世界的に見ても、地方創生に目を向けるのが早かったんですよね。やがて他の国が直面せざるを得えないであろう問題、特に地域に関する課題の解決策を色んな形で模索している。それも同時多発的に生まれているということは、裏を返せば日本は世界に対して、一足先に向き合うべき課題と向き合っているということだと思っていて。まさに今回、北海道スペースポートが行おうとしている〈宇宙事業を中心とした地方創生〉で町おこしをしていくことはすごく面白いと思います。大樹町・日本だからこそできる地方創生ビジネスモデルを展開し、世界に広めていく。そういった点からも日本はアジア、世界のトップになれる可能性があると考えています。

地方創生に必要なのは圧倒的なビジョンなんだと思うんですよね。ビジョンに惹かれて色んな人たちが集まってきて、そこに熱量が生まれ、そこからコミュニティが生まれていく。大樹には、宇宙という圧倒的なビジョンがありますよね。これを掲げられる場所っていうのが本当に他にあるのかといった意味でいうと面白いですし、すごく期待しています。

小田切:
日本がこれからも成長していくため、宇宙産業をこれからの基幹産業にしていくと政府も言っています。日本がトップになれるのか、なれないのかではなく〈やるかやらないか〉だと私は強く感じています。特に北海道は宇宙産業に関して大きなポテンシャルがあります。機械・理科系の大学が多くあり、技術者を育成する基盤があるため地元で学び、地元でロケットの開発をするというように、北海道の企業で働けるよう整備することが大事です。

北海道スペースポートへの関わり方と参加方法

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『HOSPOは世界で最も忙しい射場になる』

堀江氏:
個人版、企業版ふるさと納税などの寄付だったり、HOSPOのことを広めてもらうだけでもみなさんに関わっていただけると思います。ISTのロケットがたくさん飛ぶようになると、年間何十回も打ち上げすることになるので、HOSPOは世界でも一番忙しい射場になる予定です。そうなるとロケットの打ち上げを見にくる人たちがすごく増えてくると思いますし、会社が大きくなればスタッフの方も募集していきます。衛星を作る工場なども周りに集積していくはずなので、そうすると全く景色が変わってくるのかなと思いますね。もっと良い関わり方は第二部で発表します。

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『キーとなる宇宙の民主化。宇宙港開港へ。』

家入氏:
インターネットテクノロジーの本質は、あらゆることを民主化することにあると僕は信じています。クラウドファンディングも資金集めという手段を民主化した仕組みだと思うんですね。今回の北海道スペースポートの取り組みは、宇宙港を誰でもアクセス可能な開いたものにしていくこと。それもある種の民主化だと思うんです。これまでの時代において宇宙事業、ロケット事業に一般の人が関われる手段なんてなかったはずなんですよね。

堀江氏:
まさに民主化ですよね。僕はもっともっと民主化していくと思っているんですよ。ISTで考えていることがあって、まだどの宇宙機関もやってないことなんですけど。ピンポン球くらいの大きさの自律分散型衛星ユニットが群になってアンテナになったり、それを自律制御する。衛星のオーナーさんは暗号通貨みたいなもので報酬をもらえるとか。北海道スペースポートもいわゆるオーソドックスなやり方以外に、民主化や分散といったものをテーマにして考えると、もっと面白い正解が生まれてくるかもしれないですよね。

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『地上の産業は宇宙でも役立つ』

小田切:
本日のイベントには色んな企業の方が参加してくださっていると思います。実は別の取り組みとして、今後の宇宙産業に皆様の仕事がどう関わっていくかということも調査しています。地上にある産業のほとんどは、宇宙産業でも役に立つと言われています。地上で商売されているみなさんがそれを宇宙に持っていくことは可能だと思います。自分の仕事がどう繋がっていくのか考えていくのも面白いと感じています。

【第二部】連携協定および、新プロジェクト発表会

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イベント後半では、ついに連携協定と新プロジェクトのお披露目!
その内容がこちら。

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【協定の目的】
クラウドファンディングを活用した地域づくりと宇宙のまちづくり
【協定の内容】
地域活性化や航空宇宙関連事業に取り組む地域事業者等に対して、クラウ ドファンディングを活用したテストマーケティング・PR・資金調達を支援する取り組みを行う
【締結日】2021年10月1日

【主な取り組み例】
①購入型クラウドファンディングやふるさと納税型クラウドファンディングを活用する際、CAMPFIREによるプロジェクト設計、PRやプロモーションなどの個別アドバイス
②地域事業者等を対象とした、クラウドファンディングに関する「セミナー兼個別相談会」の開催やクラウドファンディングノウハウの提供

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これを受けて、CAMFIRE代表の家入氏は「同じプロジェクトの仲間になってもらう仕組みとして、クラウドファンディングを使ってほしい」という思いを語られました。 

【新プロジェクト】
『HOSPO LC-1クルーとして共に宇宙を目指そう!』

クラファンメイン

連携協定の第一弾として発表されたのが、クラウドファンディングにてHOSPO LC-1クルーを募集する新プロジェクト。

期間は2021年10月4日から11月30日までの約2ヶ月間。目標金額は1000万円で、集められた資金はHOSPOのPR、営業、商品開発、関連事業等に活用させていただきます。
リターンの内容はHOSPOのコミュニティ加入や、ロケット射場に名前を刻む、堀江氏も登壇する宇宙交流イベントへの参加、射場の見学などHOSPOならではのユニークなものを多数用意していますので、ぜひ応援をよろしくお願いします!私たちと一緒に宇宙を目指しましょう!

【CAMPFIRE史上リターン最高額!?】

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リターンの中でも大注目なのが「完成したLC-1でロケットZEROを打ち上げる権利」です。ロケットZEROにちなみ、¥1,000,000,000でロケットを飛ばすことができます!

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堀江氏によると「ロケットとしては結構安い。一発当たりの打ち上げ値段でいうと、世界最安値クラス」とのことですので、ロケットを飛ばしたい方は大チャンスです!

HOSPO施設のネーミングライツパートナーも募集!自分の名前が空港名になる可能性も!?

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合わせて、北海道大樹町が「北海道スペースポート」の施設について民間事業者等の広告の機会を拡大すると共に、拡充整備等の財源を確保すること等を目的として、ネーミングライツパートナーを募集することを発表しました。

(対象施設とネーミングライツ料)       
①宇宙交流センター 5000万以上
②滑走路      1億円以上

申し込み等詳細は大樹町ホームページを確認ください。

イベントの最後は、堀江氏のコメントで締めくくっていただきました。

堀江氏:

資金調達も含めて「民主化」というのがキーワードになってくると思います。HOSPOのLC-1、LC-2が数年というタイムラインの中で作られていくことに、非常に期待をしています。大樹町はとてもいいところなので、みなさんに遊びに来て欲しいなと思いますし、僕も遊べる場所を用意しておくのでぜひ来てください。

今回のイベントは宇宙トークや新プロジェクト発表など、盛り沢山の内容になりました。宇宙が身近な存在になってきていることを、より実感していただけたのではないでしょうか。これをきっかけに、これからのHOSPOや、宇宙産業の未来を一緒に作っていくクルーとして、共に宇宙を目指してもらえると嬉しいです。

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